プレスリリース 2023年
ソフトバンクがCubic Telecomへ出資して
コネクテッドカーおよびSDV向けに
世界最大級のIoTプラットフォームを構築
~戦略的パートナーシップを締結、世界トップのシェア獲得を目指す~
2023年12月5日
ソフトバンク株式会社
Cubic Telecom Ltd.
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)と、コネクテッドカーおよびSDV(Software Defined Vehicle)※1向けにIoTプラットフォームをグローバル展開するCubic Telecom Ltd.(キュービックテレコム、本社:アイルランド共和国ダブリン、以下「Cubic Telecom」)は、ソフトバンクがCubic Telecomに約4億7,300万ユーロ(約747億円※2)を出資し、企業価値が約9億ユーロ以上ある同社株式の51.0%※3を取得することで合意しました(以下「本取引」)。両社は本取引を通して、Cubic Telecomが提供中のグローバルIoTプラットフォームをさらに成長させ、コネクテッドカーやSDV、IoTモビリティ※4領域においてグローバル規模で主導していきます。Cubic Telecomは、自動車や交通車両、農業機器向けIoTプラットフォームの世界的なリーディングカンパニーです。マッキンゼー・アンド・カンパニーのリポート※5によると、2030年までに世界で販売される新車の95%がコネクテッドカーとなり、エコシステム全体に年間約2,500億~4,000億米ドル(約37.5兆~60兆円)規模※6の価値の増加をもたらすと予測されています。Cubic Telecomはこの急成長する市場において、世界トップのシェア獲得を目指します。
Cubic TelecomのCEOであるBarry Napier(バリー・ネーピア)は、本取引完了後も引き続きCubic Telecomの経営をけん引していきます。また、取締役には、現任のフォルクスワーゲングループのCARIAD(カリアド)社やQualcomm(クアルコム)社などの既存株主からの3人に加えて、ソフトバンクから常務執行役員で法人事業統括 グローバル事業担当の野崎 大地を含む3人が新たに就任予定です。本取引完了後、Cubic Telecomはソフトバンクの連結子会社になります。
Cubic TelecomのグローバルIoTプラットフォームは、従来のハードウエアからSD(Software Defined)ソリューション中心の時代への移行を加速させていきます。このプラットフォームにより、自動車メーカー(OEM)はモバイルネットワークを通して、車両や機器をグローバル規模でリアルタイムに監視・管理し、関連する機能をアップデートすることができます。また、各国・地域で異なる規制などに準拠しながら、各種条件に対応することが可能です。車両や機器は、OTA(Over the Air)※7により新しい機能を継続的にアップデートすることで、パフォーマンスや安全性、快適性が向上し、最高のユーザー体験を実現できます。Cubic Telecomは、2016年にコネクテッドカー向けIoTプラットフォームの提供を初めて開始して以来、急速に成長してきました。90以上の移動体通信事業者(MNO)との契約を通して、現在190カ国・地域以上で累計1,700万台以上の車両で同社のプラットフォームが利用されており、車両数は毎月45万台ずつ増加しています。今後5年にわたり、この車両数は飛躍的に増加する見込みで、今後、本取引を通じて世界規模でさらに成長させていきます。
Cubic Telecomは、自社のグローバルIoTプラットフォームで、世界の主要な自動車、交通、農業分野の車両メーカーのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させ、SD技術をさらに活用していきます。また、Cubic Telecomは、プラットフォーム上の優れた分析機能を活用して最先端サービスも開発しています。セルラーV2X※8が進化を続ける中、ソフトバンクとCubic Telecomは、新たなサービスの開発とイノベーションを加速させ、コネクテッドカーおよびSDV向けIoT領域のグローバルリーダーを目指していきます。
ソフトバンクはこれまで、主にアジア太平洋(APAC)地域においてグローバルIoT事業を展開してきましたが、コネクテッドカー向けIoT業界のリーダーであるCubic Telecomとの新たな戦略的パートナーシップを締結することで、急成長するコネクテッドカーおよびSDV市場向けのグローバルIoT事業へ本格的に参入し、新たな収益機会の創出を図ります。またCubic Telecomは、APACの国・地域で幅広い顧客基盤を持つソフトバンクとのパートナーシップにより、新たな販売チャネルを開拓し、市場リーダーとしての地位をさらに強化します。さらに両社は、シナジーの創出や新規サービスの開発にも取り組みます。具体的には、衛星や成層圏での非地上系ネットワーク(NTN)ソリューションを活用して、従来の地上ネットワークでは通信が届かない地域にある車両やIoTモビリティに、シームレスな通信サービスを提供するなどの取り組みも検討していきます。
ソフトバンクの代表取締役 社長執行役員 兼 CEOである宮川 潤一は、次のように述べています。
「ソフトバンクは『Beyond Japan』の事業方針の下、Cubic Telecomと提携し、急成長する大容量IoT通信領域のグローバル市場に本格参入できることを大変うれしく思います。業界のグローバルリーダーであるCubic Telecomは、ソフトバンクの最適なパートナーであると確信しています。次世代社会インフラの構築に向け、グローバルIoTプラットフォームの構築に共に取り組むことを楽しみにしています」
Cubic TelecomのCEOであるバリー・ネーピアは、次のように述べています。
「本日の発表は、Cubic Telecomのチームおよびステークホルダーにとって非常に重要なマイルストーンです。ソフトバンクと協力することで、SDVの未来を切り開くことを大変うれしく思います。ハードウエアのみならずソフトウエアにより注力することで、メーカーは安全性や快適性、性能を向上させる新機能の追加やOTAの活用ができ、自動車やデバイスの価値を高めることができます。これにより、AI(人工知能)がもたらす機会とともに、新たなコラボレーションやビジネスモデルの道が切り開かれます。私たちの目の前にあるチャンスは無限です」
本取引の完了は、さまざまな国・地域の規制当局の承認およびその他の条件が前提となり、完了時期は2024年上期中を見込んでいます。
本取引におけるファイナンシャル・アドバイザーは、Cubic Telecomに対してJefferies(リード・ファイナンシャル・アドバイザー)とEY Corporate Financeが、ソフトバンクに対してPJT Partnersが、それぞれ務めました。また、リーガルアドバイザーは、Cubic Telecomに対してDavis Polk LLPとArthur Cox LLPが、ソフトバンクに対してHerbert Smith FreehillsとWilliam Fryがそれぞれ務めました。また、KPMG IrelandおよびTrasna Corporate FinanceがCubic Telecomに対して本取引に関するアドバイスを行いました。
Cubic Telecomについて
Cubic Telecomは、世界190カ国・地域以上で先進的なSDCV(Software Defined Connected Vehicles)とコネクティビティ・ソリューションを提供しています。世界の大手の自動車、農業機械、IoTモビリティメーカーなどと協力し、世界で1,700万台以上の車両で利用され、毎日10億件のモバイルインターネットによるデータ通信を可能にしています。メーカーが世界規模で競争力のある事業を展開するには、各国の規制を順守しながら、それぞれ異なる通信技術を活用した接続が必要であり、複雑な管理が求められます。Cubic Telecomは、90以上のMNOと契約し、この複雑さを解消する独自のグローバル・ソリューションを提供することで、各国・地域の固有の条件に適応させ、通信機能が組み込まれた自動車を世界中に展開することを可能にしています。
- [注]
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※1
主にインターネットに接続されたソフトウエアを通じて機能を更新することができる車両のこと。Cubic TelecomのIoTプラットフォームは、製造時に車両に組み込まれるため、自動車メーカーはソフトウエア定義型の技術を活用することができます。
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※2
1ユーロ=158.00円で換算しています。
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※3
希薄化後
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※4
自動車やバイク、大型車両、商業用車両、農業用車両、重機械、ドローンなどを含みます。
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※5
出典:McKinsey & Company “Unlocking the full life-cycle value from connected-car data”
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※6
1米ドル=150.00円で換算しています。
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※7
無線通信によりデータを送受信すること。
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※8
3GPP(移動通信システムの規格策定を行う標準化団体)で標準化された通信規格で、モバイルネットワークを用いて車両間、交通インフラと車両間、ネットワークと車両間、歩行者と車両間などで通信をする技術。
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アドバイザーに関わる記載について一部修正しました。(2023年12月7日)
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※1
- SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
- その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。