プレスリリース 2025年

国内通信事業者初、6Gの実用化に向けて
7GHz帯の屋外実証実験を開始

~Massive MIMO技術を活用したセンチメートル波による通信エリア化を検証~

2025年7月8日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、Nokia(以下「ノキア」)と協力し、6G(第6世代移動通信システム)向けの周波数として検討されている7GHz帯の電波(センチメートル波)を利用した屋外実証実験を、2025年6月に日本の通信事業者で初めて※1開始しました。この実証実験では、6Gの実用化に向けて、東京都心部に7GHz帯の実験用基地局を3局設置し、Massive MIMO技術を活用することで、都市部において5G(第5世代移動通信システム)と同等の6G通信エリアを形成するための検証を行います。

[注]
  1. ※1
    2025年6月13日時点(ソフトバンク調べ)

センチメートル波および7GHz帯について

センチメートル波とは、波長が1~10cmの電波(周波数が3~30GHzの電波)のことで、3GPP※2ではFR3(Frequency Range 3)と呼ばれる7~24GHzが次の新しい周波数として期待されています。今回の実証実験で利用する7GHz帯(特に7,125~8,400MHz)の電波は、ITU-Rの2027年世界無線通信会議(WRC-27)において、将来の6G向けの周波数帯として議論される予定で、世界的に注目されています。7GHz帯は、5GのSub6(6GHz未満の周波数帯)より広帯域であり、すでに5G向けの周波数帯として定義済みの6,425~7,125MHz(Band n104)と合わせると、約2GHz幅に及ぶ連続した広い帯域となります。また、電波伝搬特性はSub6に近いため、超高速通信を実現しながら連続した通信エリアを形成しやすい点が特長です。

モバイル通信のデータ量は増加傾向にあり、今後はAI(人工知能)の普及などにより、さらなる増加が進むと予測されています。こうした中、人口が集中する都市部では、ビルが密集していることにより電波が届きにくい場所があるなど、通信エリアの形成が難しいという課題があります。6Gでは、増加し続けるデータ量に対応するため、「通信容量の確保」と「エリア形成」の二つの観点でバランスが取れた新しい周波数帯の電波として、7GHz帯の利用が期待されています。

[注]
  1. ※2
    Third Generation Partnership Project:移動通信システムの国際標準化プロジェクト

実証実験の概要

ソフトバンクは、7GHz帯の実験試験局免許を取得し、2025年6月に東京都中央区の銀座エリアで屋外実証実験を開始しました。この実験では、7GHz帯によるエリアの広さや電波の特性を5GのSub6と比較して検証するため、ビルの屋上に設置されている3.9GHz帯の商用5G基地局と並べて7GHz帯の実験用基地局を設置しました。さらに、Massive MIMO技術を活用することで、周囲に連続した通信エリアを構築することを目指します。今後、実証実験エリアの屋内外で測定を行いながら、6Gの実用化に向けた研究開発を進めていく予定です。

実験の目的 7GHz帯の通信サービス性能(エリア、通信速度など)と実用化に向けた有効性の検証
実施場所 東京都中央区銀座エリア
利用する電波の周波数帯 7,180~7,280MHz
実験用基地局数 3局
各社の役割 ソフトバンク:実証実験の実施
ノキア:基地局・実験用端末の提供
屋外実証実験のイメージ
屋外実証実験のイメージ
使用する実験用端末/測定車の概要
使用する実験用端末/測定車の概要
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