プレスリリース(旧ソフトバンクテレコム) 2006年

≪別紙≫
2GHz帯周波数を利用した広域ワイヤレス・ブロードバンド・アクセス実験を拡張

1.実験の狙い

この共同実験は、JR仙台駅西側の東北大学電気通信研究所周辺において昨年7月から実施中(フェーズ1)ですが、この度新たに、本年7月18日に、宮城県庁及びJR仙台駅に隣接する日本テレコムの宮城センターの追加基地局2局について、日本テレコムが総務省から2GHz帯周波数の実験局免許を取得しました。これにより、昨年から実施中の東北大学電気通信研究所IT-21センターの基地局と合わせて合計3局構成となり、仙台駅西側のビジネス街を広範囲にカバーする広域ワイヤレス・ブロードバンド・アクセスの検証実験(フェーズ2)を行うものです。

本実験では、クアルコム社のフラッシュOFDM方式の無線システムが用いられ、広域でかつ高速なインターネット接続の検証を3基地局セル間のハンドオーバー機能検証と合わせて実施します。

現在、駅、ホテル、ファーストフード店等で利用されている無線LANアクセス(IEEE802.11b/g/a)は、最大54Mbpsと高速ですが、基地局を中心としたカバーエリアが半径約100m程度と狭いスポット型のサービスとなっています。一方、現在多く利用されている携帯電話、PHSなどのデータ通信サービスは、広いサービスエリアを提供していますが実効速度が数百Kbps程度に留まっています。

今回の実験に用いる無線アクセスシステムでは、無線LANと同様なPCカード型無線端末局を用いて、ダウンリンク伝送速度が最大で3.2Mbpsと高速通信が可能であり、かつ、見通し外通信が可能な広いサービスエリアをカバーすることができます。また、無線区間におけるパケット遅延が50ミリ秒以下と有線による通信に近いレスポンスタイムを提供できます。

現在、総務省を中心にブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)の新方式導入に向けて議論が行われておりますが、IEEE802.16e(モバイルWiMAX)やIEEE802.20等の新BWA無線方式に共通する性能が多く含まれている本方式を用いたフィールド実験を実施することにより、周波数利用効率、及びハンドオーバー性能を実フィールドで検証実施することができるため、その得られた結果を新BWA方式の課題解決へ提案を行っていく予定です。本実験は、今後更にブロードバンド化を図った拡張実験も計画しています。また、本実験については、8月初旬にドライビングデモを含めた公開実験を報道関係者に対して行う予定です。

  • 本実験はクアルコム・ジャパン社及び伊藤忠テクノサイエンス社の協力を得て実施

東北大学IT-21センターは、文部科学省ITプログラム「次世代モバイルインターネット端末」の研究開発を行っており、オールIP化が進むワイヤレスネットワークに不可欠な技術として、1Gbpsの超高速通信の実現と5mm角超小型通信端末の実現を目指して、現在、研究開発を行っております。そのステップの一つとして、これまでに次世代無線LAN規格であるIEEE802.11nへの標準化提案を行い、200411月には、5GHz帯周波数を用いた次世代型超高速無線LAN装置の開発(最大伝送速度324Mbps)を発表しています。東北大学は、無線LANサービス(IEE802.11b/g/a/n)とIEEE802.20標準化候補の一つである今回の実験ネットワークとを組み合わせて実証を積み重ねることで、宮城をはじめ、地方自治体等との協力を得ながら、地域防災通信や行政ネットワークサービス等への適用可能性の検証や自動車、鉄道列車など移動車両への高速データ通信ービスへの適用可能性についての検証も順次行っていく予定です。

日本テレコムは、すでに公衆無線LANサービス「BBモバイルポイント」を駅構内、ホテル内などでサービス展開しておりますが、例えば駅前周辺などの広いエリアをカバーするニーズがある場合、本実験で用いる無線システムのようなブロードバンドワイヤレスシステム(BWA)の適用が想定できます。今後、この共同実験を通じて、ハンドオーバー性能やシステム間ローミングを中心に検証を行うことで、無線LANサービス(IEEE802.11b/g/a/n)と相互補完するユビキタスネットワークサービスを実現するための研究開発を続けていく予定です。

  • (注)「BBモバイルポイント」は日本テレコムの登録商標

宮城県は、平成15年7月17日に、宮城県産業技術総合センターと東北大学電気通信研究所との間で「研究開発に係る協力協定」を締結し、IT-21センターとの共同研究を開始しました。また、平成18年3月31日に、IT-21センターとの間で「次世代無線LAN実証実験基地局の設置及び運用に関する覚書」を締結し、宮城県庁屋上に無線基地局を設置し、今回の実証実験を行うこととなりました。

2.実験概要

(1)検証事項

i)実験周波数を用いた無線伝搬特性の検証。ブロードバンド無線インターネット接続 ハンドオーバー性能、ホームページアクセス、ビデオストリーミング、IP電話等の検証

ii)本無線システムと既存無線LAN(IEEE802.11b/g/a)システム間のローミング検証

(2)実施時期・場所

時期:2006年7月~
場所:仙台駅市街地
東北大学・電気通信研究所周辺、宮城県庁周辺、JR仙台駅周辺

(3)無線方式

実験周波数: 下り 2.1 GHz帯 上り 1.9 GHz帯
アクセス方式: フラッシュOFDM方式
サービスエリア: 基地局から半径約1.5km内の見通し外を含むエリア

(4)伝送速度

下り 最大約 3.2Mbps
上り 最大約 900Kbps

(5)本無線システムの特長

IPネットワークへの親和性が非常に高い
PCMCIA型カードのユーザ端末局
低パケット遅延のデータ伝送(50ms以下)
高速ハンドオーバー機能

3.用語説明

無線LAN

オフィスや家庭内でパソコン等のコンピュータ機器間を接続する無線通信ネットワーク。周波数帯は2.4GHz帯や5GHz帯が用いられる。現在広く市販されている製品の伝送速度は最大54Mbps。

IEEE

The Institute of Electrical Electronics and Engineersの略称。エレクトロニクス関係の米国の学会。

IEEE802.11b/g/a/n

無線LANの標準規格。IEEE802.11b とIEEE802.11gは2.4GHz帯周波数を使用した規格で伝送速度が最大54Mbps。IEEE802.11aは5GHz帯周波数を用いた無線LAN規格で伝送速度は最大54Mbps。 IEEE802.11nは次世代の無線LAN規格で現在標準化作業中。実効速度100Mbps超を目標としている。

IEEE802.16e

IEEEで策定中の移動通信規格の一つ。120km/hの高速移動中でもデータ通信が可能。固定通信方式の規格であるIEEE802.16-2004 (WiMAX)を拡張したもの。

IEEE802.20

IEEEで策定中の移動通信規格の一つ。250km/hの高速移動中でもデータ通信が可能。

以上

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