2020年3月期 第3四半期 決算説明会 要旨

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日時 2020年2月7日 (金) 午後4時~5時30分
登壇者 ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 CTO 宮川 潤一
ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦

要旨

決算説明会では、「2020年3月期 第3四半期 連結実績」および「2020年3月期 通期連結業績予想の修正」、「成長戦略の進捗」の3点について、社長の宮内より説明しました。

1. 2020年3月期 第3四半期 連結実績

2020年3月期第3四半期累計(2019年4月~12月)の売上高は3兆6,180億円と、前年同期比30%増加しました。当社は2019年6月にZホールディングス株式会社を子会社としましたが、2019年3月期の期初からZホールディングスを子会社化していたとみなして、2019年3月期業績の遡及修正を行っています。遡及修正後の前年業績と比較した場合、売上高は前年同期比5%の増加となります。セグメント別売上高では、全てのセグメントが遡及修正後の前年同期比で増収となりました。

営業利益は7,951億円となり、前年同期比で25%増加しました。遡及修正後の前年同期比では9%の増加となります。セグメント別にみても、全てのセグメントが遡及修正後の前年同期比で増益となりました。コンシューマ事業はスマートフォン契約数の増加などにより前年同期比200億円の増益、法人事業はソリューションビジネスの伸びにより33億円の増益、流通事業はICT関連の販売好調により26億円の増益、ヤフー事業はコマース領域の伸びにより74億円の増益となっています。その他事業の営業利益が300億円以上増加していますが、これは主に当第1四半期にPayPay株式会社が子会社から持分法適応会社に変更となった影響などによるものです。

親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,366億円となり、前年同期比で10%増加しました。遡及修正後の前年同期比では3%の増加となります。

2. 2020年3月期 通期連結業績予想の修正

当社は、スマートフォン契約数の堅調な伸びや法人事業におけるソリューションビジネスの売上高の増加を背景に、2020年3月期通期連結業績予想の上方修正を行いました。売上高は期初予想から200億円増加の4兆8,200億円、営業利益は100億円増加の9,000億円となります。親会社の所有者に帰属する純利益は期初予想の4,800億円を据え置きます。これは、ZホールディングスとLINEの経営統合に関する最終契約が2019年12月に締結されたことに伴い、Zホールディングス株式のグループ内譲渡により生じる譲渡益に対応する法人所得税195億円を、当第3四半期に計上することとなったためです。

3. 成長戦略の進捗

ソフトバンクの成長戦略は「通信事業のさらなる成長」、「ヤフー事業の成長」および「新領域の拡大」の三つの柱で構成されています。

通信事業のさらなる成長

コンシューマ事業や法人事業といった通信事業は、順調に業績を伸ばしています。

コンシューマ事業の2020年3月期第3四半期累計売上高は、携帯端末の売上減少をモバイル通信サービスおよびブロードバンドサービスの売上の伸びが上回り、前年同期比で増収となりました。

モバイル通信サービスでは、“ソフトバンク” “ワイモバイル” 「LINEモバイル」という特徴の異なる三つのブランドを提供し、お客さまのさまざまなニーズにお応えしています。2019年10月に改正電気通信事業法が施行され、事業環境に変化があったものの、2019年12月末のスマートフォンの累計回線契約数は前年同期末比で3ブランドとも増加し、全体で9%増の2,348万件となりました。さらにスマートフォン解約率は第3四半期平均で0.53%と、過去最低を更新しました。今後も、お客さまに選ばれ続けるブランドを目指して、取り組んでいきます。

ブロードバンドサービスでは、主力の「ソフトバンク光」の累計契約数が、前年同期比で9%増加しました。

次世代通信システム「5G」についても、取り組みを加速しています。「高速大容量」「低遅延」「多接続」という特長を持つ5Gの実現によって、スポーツ観戦やライブ、ゲームといったエンターテインメント体験は大きく変わります。2020年3月下旬に迫った5Gの商用化に向けて、ソフトバンクはさまざまな実証実験や5Gプレサービスの提供を行っています。また2019年12月には、3Gサービスの提供を2024年1月下旬に終了することを発表しており、今後はさらに5Gへ経営資源を集中させていきます。

法人事業では、クラウド、デジタルマーケティング、IoT、ロボット、セキュリティなどを含む「ソリューション等」の伸びが業績をけん引し、前年同期比3%の増収となりました。デジタルマーケティングの分野では、2019年9月に株式会社博報堂、Arm Limitedと共に合弁会社の設立を発表し、データの統合からマーケティングまでワンストップで支援する、データ活用のコンサルティングビジネスを開始しました。IoTの分野では、ガスメーターのIoT化によるメーター検針の自動化など、さまざまなIoTソリューションを提供しています。また5Gの実現は、これまでの産業のあり方を根本から変えるといわれており、当社の法人事業にとっても大きなビジネスチャンスであると捉えています。2019年12月には、Wireless City Planning株式会社、大成建設株式会社と共に、トンネル工事現場での無人建設機械の遠隔操作やIoTセンサーによる遠隔監視などといった5G実証実験を実施しました。ソフトバンクは、あらゆる産業のデジタルトランスフォーメーションを加速させることで、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいきます。

ヤフー事業の成長

今期から新たに加わったZホールディングスを含むヤフー事業も、前年同期比7%の増収となりました。特に、ソフトバンクの子会社となった2020年3月期第2四半期以降は、減少傾向だった営業利益が増加に転じています。またZホールディングスは、2019年11月にファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの子会社化を行いました。

eコマース関連サービス、会員向けサービスや決済関連サービスを扱うコマース領域では、ZOZOの子会社化の影響もあり、eコマース取扱高が前年同期比で15%増加しました。メディア関連サービスや広告関連サービスを扱うメディア領域では、「Yahoo! JAPAN」の月間ログインユーザーID数が前年同期比6%増と順調に拡大しています。

さらに2019年11月にはZホールディングスとLINE株式会社の経営統合を発表しました。本統合の完了は2020年10月を予定しています。両社はニュースなどのメディア、eコマース、決済やフィンテックといった近いフィールドに強みを持っており、大きなシナジーが見込まれます。さらに月間アクティブユーザー数8,300万人の日本最大のコミュニケーションアプリ「LINE」が加わることで、当社グループはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にも領域を広げることとなります。統合後は、通信、AI・IoTに加え、メディア・広告、コマース、決済・フィンテック、さらにはSNSまで、幅広いテクノロジー領域に強みを持つ、他に類を見ない企業グループとして、他社にはまねできない未来を創っていきます。

新領域の拡大

新領域のビジネスも着実に成長しています。

スマートフォン決済サービス「PayPay」は、2020年2月2日時点で累計登録者数2,400万人を超えました。2019年10月に開始された経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」の後押しもあり、10月以降は決済回数が大幅に増加しています。「PayPay」は、スマートフォン上であらゆる暮らしを便利にする“スーパーアプリ”を目指しており、その第一弾として「PayPay」アプリ上からタクシー配車が可能となる「ミニアプリ」機能をリリースしました。2020年の「PayPay」は、ローンや後払い、投資といった金融サービスへも本格的に参入し、収益モデルを確立していきます。

AIで需要予測を行うタクシー配車プラットフォーム「DiDi」は、2019年に大きくサービスエリアを拡大し、2020年1月末時点で全国23の都道府県でサービスを提供しています。契約するタクシー会社も500社を超えており、今後もさらなるサービス拡大に注力していきます。

最先端テクノロジーとデータ分析を活用して快適なワークスペースを提供する「WeWork」は、日本でのサービス開始から2年弱でメンバー数が22,000人を超えました。2019年12月時点で全国6都市26カ所まで拠点を広げており、順調にビジネスを拡大しています。

トヨタ自動車株式会社とともに設立し、その後日野自動車、本田技研工業など複数の自動車メーカーと資本・業務提携を行ったMONET Technologies株式会社は、さまざまな社会課題を解決する次世代モビリティサービスの構築に取り組んでおり、2020年1月末時点で全国31市町村、5道府県と提携しています。

また新たなビジネスの立ち上げにも注力しています。

世界的ホテルチェーンOYO Hotels & Homesと2019年4月に設立を発表した合弁会社OYO Hotels Japanは、全国で加盟ホテル数を順調に拡大し、2019年12月時点で5,700室以上の客室が稼働しています。OYO Hotels Japanは、事業の拡大と同時にガバナンスの強化にも取り組んでおり、ホテルごとの個別の課題に真摯に向き合いながら、堅実な成長を目指しています。そのほか2019年には、前述のデータ活用のコンサルティングビジネスや、AI画像認識技術を用いた顔認証ソリューションビジネスなど、複数の新規ビジネスを開始しています。

一方で、保有株式の売却も適切なタイミングで実施しており、2020年3月期は年間で100億円以上の売却益を計上する見込みです。

このようにソフトバンクは、ビジネスごとに最適な経営判断をスピーディーに実行することで、新領域の拡大を加速していきます。

[注]
  1. Zホールディングス株式会社とLINE株式会社の経営統合は、必要とされる各国における競争法、外為法その他法令上必要なクリアランス・許認可などの取得が完了していること、当社とNAVER Corporationを含む4社間で締結した経営統合契約書において定める前提条件が充足されることを条件として行われます。