2020年3月期 投資家向け説明会 主な質疑応答

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日時 2020年5月11日(月)午後5時30分~午後6時30分
登壇者 ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦
ソフトバンク株式会社 執行役員 財務経理本部 本部長 内藤 隆志
ソフトバンク株式会社 財務戦略本部 本部長 廣野 公一
  • FY20の配当の考え方について教えてほしい。FY20のフリー・キャッシュ・フロー予想は潤沢である一方で、増配予定は1円となっている。利益が上振れたら配当を見直す可能性があるのか。配当を変えない場合、その理由も教えてほしい。

    配当については、利益の質や来年度以降の動きも考慮に入れて検討しているため、期初において断定的な回答は避けたい。新型コロナウイルス感染症拡大の影響など不透明要素もあるが、掲げたものは確実にお届けする。安定配当、高配当には変わらずこだわっている。

  • FY20以降どのように利益を伸ばすのかについて、増益・減益要因に分けて教えてほしい。

    FY20以降については、新型コロナ感染症拡大の影響もあるため、断定的な言及は避けたいが、方向感を申し上げる。当社では現状のスマートフォン累計契約数にまだ満足しておらずまだまだ伸ばせると考えている。5Gの基盤でもあり、テレワークが浸透する中、スマートフォンの価値はますます高まる。従って、コンシューマ事業の増益にはこだわっていく。法人事業も、FY18通期のセグメント利益を、数年以内に倍増させることを目指しており、これに向けて毎年着実に伸ばしていく。Zホールディングス株式会社(以下、ZHD)についても、FY23に営業利益2,250億円という目標は変わっていないため、成長の方向感は示しており、主軸となる3つについてはいずれも成長を目指す。通過点として、営業利益1兆円を目指す、ということも変わっていない。

  • FY20の基本的なKPIの動きについて教えてほしい。モバイルの契約数について、業界全体で新規と解約が両方下がり、需要が先送りされている印象だが、下期に取り戻すという考えか。また、FY20の上期に1年おトク割がARPUに与える影響は何十円くらいか。

    複数のシナリオを検討しているため、あくまで一つのケースとしてコメントさせていただく。仮に下期に販売チャンスが出てくると、5G環境も進展しているため取り組むテーマが出てくると思う。上期の1年おトク割のARPU影響は100円強となり、9月までは影響があるため、下期のほうが利益が出てくる。販売手数料については、事業法改正や新型コロナ感染症拡大影響により減少した分は、平準化して繰り延べられているため、やはり下期以降に減少影響が出てくる。FY18、FY19は共に、上期増益を目指してコストコントロールをした経緯があり、その意味で、費用のかけ方が自然体より少し歪んだ状態となっていたが、FY20以降その点は是正されていく。いずれにしても、年度ベースでの増益を確実にやり遂げたい。あらゆるシナリオに備えるのが企業としての責任だと考えている。

  • FY20は通信収入の不透明感がある中で、コスト削減・構造改革はやっていくとのことだったが、費用の効率化の影響はどのくらいになるのか。

    短期的にはマーケティングや販促関係の費用の動きが大きいが、一方で代理店などの販売インフラの維持も重要であるため、必要な費用をかけつつも、全体としてはコストダウンできる。構造改革は、今期というより3~5年の長期で、減価償却も含めて、全体の費用をフラットに維持できるような状態を目指す。

  • ZHDとLINE株式会社(以下、LINE)との統合について、LINEが赤字だったとしても、FY20の業績予想は達成できるのか。

    今回の数字についてはLINE統合考慮前とご理解いただきたい。ただし、純利益については、統合完了後で約33%の持分であるため、影響は限定的と考えている。当社の配当政策や全体について大きな影響があることは想定していない。

  • ネットレバレッジ・レシオが下がったが、中期的にはどの程度が許容範囲と考えているか。また、新型コロナウイルスの影響を受けて、資本市場へのアクセスはどのような状況か。

    現状のレシオ、2.3倍はちょうどよい水準だと思っているが、大型M&Aなどの特別なイベントがなければ、毎年少しずつ改善していきたい。2.5倍前後という水準は、同じ格付けの会社の平均より低いと考えており、一定の合理性はあると考えている。資本市場へのアクセスについて、通常実施している割賦債権流動化については債権の信用リスク自体が非常に分散されているため、安定した調達が可能。リーマンショックの時も全く影響なかった。リースについても、順調に積みあがっている。コマーシャル・ペーパーや社債の発行についてはマーケットの動きを見ながらだが、慌てて調達しなければいけない状況ではない。ただ、可能であれば、機動的にアクセスして少しでも手元流動性は増やしておきたいと考えている。

  • Beyond Carrier戦略の新規事業について、FY20の1年間の持分法損益の動向および内容の考え方について教えてほしい。

    PayPayについては、資金投下はFY19がピークで、FY20以降はこれより改善していく方向と考えている。基本的には、新規事業での赤字はピークを越えつつある。

  • 新型コロナウイルス感染拡大の影響に関連して、4月以降の収入・費用の状況などある程度見えてきていると思うが、その中で、通信事業では営業利益でポジティブな数字が構造的に予見される状況にあるか。

    獲得が減少しており販売手数料等のキャッシュ・アウトが減少することから、キャッシュ・フローはポジティブといえる。ただ、販売手数料は平準化して費用計上することから減少の影響がすぐに出るわけではないことや、1年おトク割の会計処理変更もあるため、第1・2四半期の営業利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響とは関係なく、前年対比で厳しめであることは変わらない。従ってFY20は、前年対比においては上期が弱含み、下期が強含みとなる。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がいつまで続くのか、再発する/しない等不確定要素は多いため、コストダウンにも相応に取り組み、まずは掲げた連結業績予想9,200億をしっかりとやっていく。

  • 携帯のトラフィックが伸びているということだったが、増収につながるか。

    定額制料金がほとんどであるため、直ちに収入増に結び付くわけではないが、ネガティブな要素をいくらか相殺できていると考えられる。