2025年3月期
決算説明会 要旨
日時 | 2025年5月8日(木)午後4時~5時25分 |
---|---|
登壇者 | ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一 ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 榛葉 淳 ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦 |
要旨
決算説明会では、「2025年3月期 連結業績」および「中期経営計画の財務目標の上方修正および2026年3月期 連結業績予想の考え方」に加え、「次世代社会インフラの構築に向けた取り組み」、「個人株主の状況」、「ESGに係るアップデート」について、社長の宮川より説明しました。
2025年3月期 連結業績
全社業績
- 2025年3月期の売上高は6兆5,443億円、前年比8%増。全セグメント増収。また、2023年5月に発表した中期経営計画の売上高目標(6.5兆円)を1年前倒しで達成。
- 営業利益は9,890億円、前年比13%増。全セグメント増益。メディア・EC事業/ディストリビューション事業が2桁増益になったほか、ファイナンス事業が黒字化。中期経営計画の営業利益目標(9,700億円)を1年前倒しで達成。
- 親会社の所有者に帰属する純利益(以下「純利益」)は5,261億円、前年比8%増。
- プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー※1は6,033億円。高水準を継続。
- 普通株式一株当たり配当金は期初予想通り、期末4.3円※2を予定(年間8.6円※3)。
中期経営計画の財務目標の
上方修正
および2026年3月期
連結業績予想の考え方
- 中期経営計画発表時には、2026年3月期の営業利益を9,700億円とする目標を公表。
- 事業が好調に推移した結果、2025年3月期には、生成AI等への成長投資を実施しつつもこの営業利益目標を1年前倒しで達成。
- 2026年3月期の営業利益目標は、生成AI等への成長投資をさらに強化した上で、1兆円に上方修正。
- また、純利益目標も5,400億円に上方修正。過去最高益を目指す。
- 2026年3月期の普通株式一株当たり配当金は年間8.6円を予想。高水準の還元継続を目指す。
- 2026年3月期の連結業績予想、およびセグメント別営業利益予想は以下の表の通り。
2025年3月期 実績 |
2026年3月期 予想 |
増減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 6兆5,443億円 | 6兆7,000億円 | +1,557億円 | +2% |
営業利益 | 9,890億円 | 1兆円 | +110億円 | +1% |
親会社の所有者に帰属する純利益 | 5,261億円 | 5,400億円 | +139億円 | +3% |
2025年3月期 実績 |
2026年3月期 予想 |
増減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|
コンシューマ | 5,304億円 | 5,500億円 | +196億円 | +4% |
エンタープライズ | 1,703億円 | 1,880億円 | +177億円 | +10% |
ディストリビューション | 304億円 | 320億円 | +16億円 | +5% |
メディア・EC※4 | 2,588億円 (評価益※5除く 2,156億円) |
3,300億円 | +295億円 (2025年3月期の評価益※5除く +727億円) |
+10% (2025年3月期の評価益※5除く +28%) |
ファイナンス※4 | 417億円 | |||
小計 | 1兆316億円 | 1兆1,000億円 | +684億円 | +7% |
その他・成長投資 | -426億円 | -1,000億円 | -574億円 | - |
全社計 | 9,890億円 | 1兆円 | +110億円 | +1% |
セグメント別業績
- セグメント別の中期経営計画における目標および進捗は以下の表の通り。
中期経営計画に おける目標 (2024年3月期~2026年3月期) |
2025年3月期に おける進捗 |
|
---|---|---|
コンシューマ事業 | モバイルサービス売上: 2024年3月期を底に反転 |
2024年3月期から3年連続で増収を見込む |
セグメント営業利益: 2023年3月期を底に反転 |
2024年3月期から3年連続で増益を見込む | |
エンタープライズ事業 | ソリューション等売上高: 年平均成長率2桁成長 |
前年比27%増 |
セグメント営業利益: 年平均成長率2桁成長 |
12%増(2024年3月期および2025年3月期の年平均成長率) | |
ディストリビューション事業 | セグメント営業利益: 300億円(2026年3月期) |
1年前倒しで達成(2025年3月期 304億円(前年比16%増)) |
メディア・EC事業 | 事業効率化と2025年3月期以降の メディア・検索・コマース事業の再成長 |
一過性要因を除いても前年比20%増 |
ファイナンス事業 | セグメント営業利益: 2026年3月期までに黒字化を目指す |
達成(2025年3月期 332億円) |
① コンシューマ事業
- 2025年3月期のスマートフォン契約数は104万件の純増、累計3,177万件。
- 「ワイモバイル」などから「ソフトバンク」へのブランド移行収支※6が、2025年3月期上期・下期共にプラス。プラス基調が定着。
- 当社のモバイルネットワークの取り組みを説明。5G端末の比率が上昇する中でも高い5G接続率を実現していることに加えて、急増する5Gデータ通信量を処理しつつ、高い通信品質を維持。全国主要都市での5G SA(スタンドアローン)エリアの急速な拡大を通じて、通信品質のさらなる向上を目指す。
② エンタープライズ事業
- 既存の企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する取り組みに加え、AIトランスフォーメーションを支援する取り組みにより、エンタープライズ事業のさらなる成長を目指す。
- 2025年1月には、当社の100%子会社であるGen-AX(株)が、生成AIを用いてカスタマーサポートを効率化する自社開発SaaS(Software as a Service)「X-Boost(クロスブースト)」を発表。将来的には、AIによるコールセンター業務の自動化を目指す。
③ メディア・EC事業
およびファイナンス事業
- PayPay(株)が上場準備を開始。
- これに伴い、2025年度予想はメディア・EC事業とファイナンス事業の営業利益予想を合算して開示。両セグメント合計で2桁増益を目指す。
- PayPay(株)の2025年3月期の連結決済取扱高※7は前年比23%増の15.4兆円。20%超の成長を継続。
- 同社の連結EBITDA※8は456億円。2年連続で黒字。連結営業利益※9も通期で300億円を超える黒字化を達成。
- 2025年4月に金融ビジネスの再編が完了。PayPay(株)がPayPay証券(株)およびPayPay銀行(株)を子会社化。PayPay(株)のリーダーシップの下、銀行・証券サービスの成長を加速させる方針。
- SBペイメントサービス(株)の2025年3月期の決済取扱高(GMV)は9.8兆円。前年比22%増。非通信領域を中心に、引き続き成長を目指す。
次世代社会インフラの構築
に向けた取り組み
- 2025年3月、大規模なAIデータセンターの構築に向けて、シャープ(株)の堺工場の土地や建物などを約1,000億円で取得。
- 自社で開発している日本語国産LLM(大規模言語モデル)については、「Sarashina mini」(700億パラメーター)の2026年3月期中の商用開始を見込む。
- 当社の目指すクラウド事業の方向性は、データ・技術・運用の主権を重視した「ソブリンCloud」と「ソブリンAI」。2027年3月期以降、順次サービスの提供を開始する予定。
- AIの中心が推論になる時代を見据えて、処理能力が高く省電力な次世代メモリの開発に取り組む。コア部分のサンプル開発に必要な当社からの投資額は今後2年で約30億円を見込む。
- 「クリスタル・インテリジェンス※10」の開発に向けてOpenAIと議論を継続。業務毎の個別最適だけに留まらず、各部門のAI同士が連携することで経営全体を最適化し、変革できるプロダクトを目指す方針を説明。
個人株主の状況
- 2025年3月末には、株主数が136万人を突破(2024年3月末比50万人増)。また個人株主における年齢構成も40歳代以下の若年層の割合が41%※11(同14ポイント増)に増加。
ESGに係るアップデート
- 取締役構成の変更を予定。社外取締役比率の過半を維持しつつ、女性取締役比率を向上(27%から36%)へ。
- 2025年3月期の自社使用電力※12に占める実質再生可能エネルギー比率は54%となる見込み。これに伴い、中期経営計画で掲げていた2026年3月期の目標を50%から60%に上方修正。引き続き、2031年3月期までに100%(うち、半分以上を再生可能エネルギーによる発電から調達)という目標達成に向けて取り組む。
- [注]
-
- ※1プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは調整後フリー・キャッシュ・フロー(フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)-LINEヤフー(株)グループ、PayPay(株)等のフリー・キャッシュ・フロー+Aホールディングス(株)からの受取配当、PayPay証券(株)への出資など)に長期性の成長投資として支出した金額を足し戻した指標です。なお、長期性の成長投資はAI計算基盤・AIデータセンター関連投資、Cubic Telecom Ltd.への出資を含みます。財務活動によるキャッシュ・フローとして計上されるリース負債の返済による支出(通信設備・不動産賃借料等)控除前。同支出の2024年度の実績は1,287億円です。
- ※22025年3月期の期末配当は、2025年5月20日に開催予定の当社取締役会に付議予定です。
- ※32024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき10株の割合をもって株式分割を行っており、2024年10月1日以前の1株当たり配当金については当該株式分割調整後の数値を記載しています。
- ※4PayPay(株)によるPayPay銀行(株)の子会社化に伴い、2026年3月期第1四半期より、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行(株)を「ファイナンス事業」に移管します。これに伴い、2025年3月期の「メディア・EC事業」および「ファイナンス事業」の数値をそれぞれ85億円遡及修正しています。なお、この遡及修正値は精査中です。
- ※5IPX Corporation(旧LINE Friends Corporation)、LINE NEXT Corporationおよびバリューコマース(株)の支配喪失益
- ※6ワイモバイル/LINEモバイル・LINEMOからソフトバンクへ移行したユーザー数からソフトバンクからワイモバイル/LINEモバイル・LINEMOへ移行したユーザー数を引いて算出
- ※7ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。「Alipay」、「LINE Pay」等経由の決済および「PayPayクレジット(旧あと払い)」による決済を含みます。PayPayカード(株)の決済取扱高をPayPay(株)の決済取扱高と合算し、PayPay(株)とPayPayカード(株)の内部取引を消去しています。
- ※8EBITDAは営業利益に減価償却費および固定資産除却損を足して算出、IFRS。非監査。
- ※9PayPay(株)、PayPayカード(株)、クレジットエンジン・グループ(株)の連結営業利益
- ※10「クリスタル・インテリジェンス」は仮称であり、正式名称ではありません。
- ※11一部証券会社からの提供データを基に当社推計
- ※12ソフトバンク(株)およびWireless City Planning(株)の合計
- ※1
-
本資料は、証券の売出し又は購入の申し出の勧誘を構成するものではありません。証券の募集、購入の申し出の勧誘、又は証券の売出しは、1933年証券法(その改正を含む。以下、「証券法」という。)の登録要件に従って行われます。本資料に含まれる情報は、証券法ルール135に従って記載されるものです。