プレスリリース 2023年

障がい児の学習・生活支援のための
ICT活用事例報告書を発行

~「魔法のプロジェクト~特別支援教育ICTゼミ2022~」の協力団体の実践研究事例を公開~

2023年3月30日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一)は、東京大学先端科学技術研究センター(所在地:東京都目黒区、所長:杉山 正和)に設置されている寄付研究部門「個別最適な学び研究」と協力し、2022年4月から1年間実施した、障がい児※1の学習・生活支援を行う実践研究プロジェクト「魔法のプロジェクト~特別支援教育ICTゼミ2022~」※2の成果をまとめたICT活用事例報告書(以下「本報告書」)を発行しました。本報告書は、本日から「魔法のプロジェクト」のウェブサイトで公開し、障がい児の学習・生活支援におけるICT(情報通信技術)の具体的な活用方法やその効果について紹介しています。また、「魔法のプロジェクト~特別支援教育ICTゼミ2022~」の成果報告会を、2023年5月20日にオンラインで開催します※3

本報告書について

1. 概要

本報告書では、タブレットや人型ロボット「Pepper」※4、スマートスピーカーなど、ICTの活用によって障がい児の学習や生活をどのように支援できるかについて、「魔法のプロジェクト~特別支援教育ICTゼミ2022~」の協力団体が取り組んだ実践研究事例をまとめています。2022年度は、「魔法のプロジェクト」の夏期セミナーを、教員養成課程を持つ国立大学法人宇都宮大学や琉球大学教職大学院、香川大学において大学生および専門職大学院生向けの集中授業として組み入れました。集中授業では、「魔法のプロジェクト」の実践研究事例などが紹介され、特別支援教育の指導者を育成する現場との連携を深めました。

2. 入手方法

「魔法のプロジェクト」のウェブサイトからダウンロードできます。

3. 紹介事例

本報告書で紹介する障がいに合わせたICT活用事例の一部は、下記の通りです。その他の事例や詳細については、上記ウェブサイトからダウンロードしてご覧ください。

  • 「『街に出よう』確認の手段を得ることで活動できる」(東京都立花畑学園)

    知的障がいのある対象生徒は、予想しない出来事が起こった際に、自分ではうまく対処したいと思っていますが、どのように行動すればよいのか分からず、自信を持てずにいました。想定と異なることが起きた時は、SNSや通話などの手段を通して、周囲に対処方法などを確認しながら次の行動に向けたアドバイスをもらい、今の状況を把握しながら行動するなどの経験を積むことで、自信を持てるようになりました。(テーマ:生活「確認・自己肯定感」)

  • 「『Pepper』で食事を楽しみに」(神奈川県立平塚養護学校)

    知的障がいと口腔内の過敏がある対象児童は、周囲に言葉などで思いを伝えることが難しく、また食べられる物が限定的でした。そこで、自ら「Pepper」を操作して給食メニューを確認することで「食べること」に楽しみを見いだしてもらい、また食べ物や言葉への理解にもつながったことで、食べられる物や量が増えました。(テーマ:生活・学習「理解・食事」)

  • 「Apple Watchで不安を解消する」(神奈川県立みどり養護学校)

    不安による緊張からコミュニケーションが難しくなる生徒は、Apple Watchで行事の予定などを確認し、また大切な予定は、自分の声でボイスメモを作成して確認することで、不安が軽減されました。(テーマ:生活「吃音障がい」)

ソフトバンクと東京大学先端科学技術研究センターに設置されている寄付研究部門「個別最適な学び研究」は、今後も最新のICTを活用して、学習や生活、就労に対して困難を抱える児童・生徒や学生などが自身の持てる力を引き出すことを支援するとともに、特別支援教育にICTを活用できる教員の輩出と実践研究成果を普及させる活動に取り組み、障がい児の社会参加の機会を促進していきます。

[注]
  1. ※1
    認知やコミュニケーションに困難のある障がい児、自閉症、読み書き障がい、知的障がい、肢体不自由、聴覚障がいなどを含みます。障がいの種別は問いません。
  2. ※2
    「魔法のプロジェクト~特別支援教育ICTゼミ2022~」の協力団体は、2022年4月27日付のソフトバンク株式会社のプレスリリース「ICTを活用して障がい児の学習・生活支援を行う『魔法のプロジェクト』の2022年度の協力団体を選考」をご覧ください。
  3. ※3
    「魔法のプロジェクト~特別支援教育ICTゼミ2022~」の成果報告会に関する参加申し込み方法などの詳細は、こちらからご覧ください。
  4. ※4
    ソフトバンクロボティクス株式会社が運営する「Pepper 社会貢献プログラム ソーシャルチャレンジ」の一環として、社会課題解決支援のためにこのプロジェクトに無償貸与された人型ロボット「Pepper」を活用しています。
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