プレスリリース 2024年

ソフトバンクとレッドハット、
AI-RANの発展に向けて共同研究開発を開始

2024年11月13日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、AI-RANの実現に向けて協力していくことについて、オープンソースソリューションの世界的なプロバイダーであるRed Hat Inc.(以下「レッドハット」)と2024年10月25日に覚書を締結しました。この覚書に基づき、両社はAI-RANの仮想化基盤およびオーケストレーターの機能強化など、AI-RANの発展に向けた共同研究開発を開始します。

AI-RANの実装には、AI(人工知能)とvRAN(virtualized Radio Access Network、仮想無線アクセスネットワーク)のアプリケーションを同一の仮想化基盤上で動かし、そのリソースを最適化することが求められます。AIとvRANという異なる性質のアプリケーションを同一のコンピューティング基盤で動かすためには、仮想化基盤とオーケストレーターが非常に重要です。

そこでソフトバンクは、Kubernetes※1ベースのハイブリッドクラウドアプリケーションプラットフォームであるRed Hat OpenShiftを活用して仮想化基盤を構築し、リソースを効率よく管理できるオーケストレーターを開発しました※2。Red Hat OpenShiftを活用することで、より迅速なデータ処理とリアルタイムなリソースの最適化が可能になり、AIとvRANアプリケーションのパフォーマンスの向上や高度な自動化、多層的なセキュリティー強化を実現することができます。このたびの覚書の締結により、ソフトバンクはレッドハットと共同作業チームを結成し、仮想化基盤およびオーケストレーター領域の新規機能開発を加速します。

[注]
  1. ※1
    Kubernetes(クバネティス)とは、アプリケーションのデプロイやスケーリングを自動化したり、コンテナ化されたアプリケーションを管理したりするための、オープンソースのシステム。
  2. ※2
    詳細は、2024年11月13日付のプレスリリース「AIとvRANを同じ仮想化基盤で動作させるオーケストレーターを開発」をご覧ください。

ソフトバンクとレッドハットは、主に下記の内容で協力を進めていきます。

  • ソフトバンクとレッドハットの共同作業チームの結成
  • レッドハットのオープンソースソリューションを活用したユースケースの調査
  • ArmアーキテクチャーのCPUなどマルチアーキテクチャーへの最適化対応
  • 日本中に展開されたコンピューティングリソースの管理手法の確立
  • GPU(Graphics Processing Unit)の提供手法の確立および効率的な提供手法の立案

レッドハットは、今回の取り組みに関連してAI-RANアライアンスに加盟しており、今後は「AI-and-RANワーキンググループ」で活動する予定です。

Red Hat グローバルエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント 兼 最高技術責任者のクリス・ライト氏は、次のように述べています。
「AIには、プロバイダーの運営方法や提供可能なサービスのあり方に革命を起こすポテンシャルがあります。コスト効率に優れ、自動化されたオペレーションを実現するためには、AIとRANの両方のワークロードにおける厳しい要求を最適にサポートする標準化されたプラットフォームが不可欠です。レッドハットとソフトバンクは、今回の協力を通して、信頼性の高いRed Hat OpenShiftプラットフォーム上で、エッジからコア、そしてハイブリッドクラウドまでシームレスにAIの開発・展開を可能にすることで、サービスの円滑な展開を支援します。両社の共同研究開発により、サービスプロバイダーがRANの運用の一環でAIモデルを活用し、そのAI-RANインフラを通して新たな収益を生み出すサービスを提供することができるようになります」

ソフトバンクの専務執行役員 兼 CIOの牧園啓市は、次のように述べています。
「ソフトバンクは、モバイルネットワークがさまざまな産業のニーズに応えられるよう、AI-RANという新たな試みを開始しました。今回開始する共同研究開発を通して、レッドハットとソフトバンクがそれぞれの得意分野で互いに補完し、AI-RANの開発を加速させることで、早期にサービスとして社会へ提供できることを期待しています」

  • Red HatおよびOpenShiftは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.またはその子会社の商標または登録商標です。Linux®は、米国およびその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標です。
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。