プレスリリース 2025年

ソフトバンクとCubic3
SDV向けのユビキタスネットワークの実現に向けた
戦略的パートナーシップを締結

~衛星通信事業者と連携してコネクテッドカー向けソリューションの商用化を目指す~

2025年6月4日
ソフトバンク株式会社
Cubic3

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)と、SDV(Software Defined Vehicle)※1向けソリューションのグローバルリーダーであるCubic3(キュービック、本社:アイルランド共和国ダブリン、CEO:バリー・ネーピア)は、地上のモバイル通信ネットワークと、衛星通信をはじめとする非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network、以下「NTN」)を融合させることで、SDVやその他の高価値なモビリティ資産※2がシームレスにいつでもどこでもつながる「ユビキタスネットワーク」の実現を目指して、このたび戦略的パートナーシップを締結しました。このパートナーシップは、両社が2024年に実施したグローバルな戦略的提携の一環で締結したものです。今後ソフトバンクとCubic3は、主要な衛星通信事業者との連携を通して、数年以内にコネクテッドカー向けのユビキタスネットワークソリューションの商用化を目指します。

乗用車をはじめ、農業や輸送関連の車両メーカーにおいては、地上のモバイル通信が届かないエリアでも、車両が常時インターネットに接続していることが重要視されています。信頼性が高く、シームレスな通信環境が確保されることで、車両の予防保全や安全機能、テレマティクス、ナビゲーションといった重要な機能を、いつでもどこでも確実に稼働させることが可能になります。今回の戦略的パートナーシップは、地上と上空のネットワークを融合させることで、世界中のコネクテッドカーに向けたユビキタスネットワークの提供を目指すものです。

両社は、ソフトバンクのNTNにおける技術力と、Cubic3のクラウド型プラットフォームを組み合わせた、SDVや高価値なモビリティ資産向けのユビキタスネットワーク戦略を共同で策定しました。通信要件はユースケースによって大きく異なるため、特性が異なる複数のネットワークを柔軟に組み合わせることが、車両メーカーに最適なソリューションを提供する上で不可欠です。ソフトバンクとCubic3は、複数の衛星通信事業者と連携しながら幅広いパートナーシップを構築していきます。

Cubic3はこの戦略に基づき、下記の衛星通信事業者との取り組みを積極的に展開していきます。

  • IntelsatとCubic3は、モビリティ分野における衛星通信の接続性に関する重要な技術検証を実施し、Intelsatの衛星通信とCubic3のソフトウエアプラットフォーム「Cubic3 Cloud」の統合に成功しました。この実証により、地上のモバイル通信ネットワークとNTNを連携させることで、場所を問わず常時接続が可能になることが確認できました。なお、ソフトバンクとIntelsatは、2024年にユビキタスネットワークの実現に向けた共同技術検証を行うことに合意※3しています。
    詳細はこちら(英語のみ)
  • SkyloとCubic3は、地上のモバイル通信と衛星通信の両方に対応した世界初※4の自動車向けSIMソリューションを発表しました。このソリューションを活用することで、複数の通信ネットワークやハードウエアごとの更新を行う必要がなくなり、車両は空が見える環境であればどこでも、重要なサービスに安全に接続することが可能です。これは、SDVにおけるユビキタスネットワークの実現に向けた重要なマイルストーンとなります。
    詳細はこちら(英語のみ)
  • ViasatとCubic3は、ViasatのLバンドを利用した衛星通信ネットワークと「Cubic3 Cloud」を統合する試験を行うことを発表しました。この試験では、衛星通信による音声通話や、リアルタイムでの天候情報の通知、緊急警報といったアプリケーションの有効性を検証します。この試験は、2025年中に開始する予定です。
    詳細はこちら(英語のみ)

Cubic3のCTOであるニック・パワーは、次のように述べています。
「今後10年で数百万台のモビリティがインターネットに接続される時代において、通信の接続はまさに生命線です。地上のモバイル通信ネットワークが車両内の高度な機能を支えている一方で、いまだに接続できない地域が多く存在しているという現実があります。Cubic3のソリューションは、地上と非地上のネットワークを融合させ、真のユビキタスネットワークを世界中に提供することを目指します」

ソフトバンクの執行役員 プロダクト技術本部 本部長の小林丈記は、次のように述べています。
「ソフトバンクは『いつでも、どこでも、すべてのものがつながるユビキタスネットワーク』の実現を目指しており、モビリティ分野においてCubic3は非常に重要な戦略的パートナーです。両社は、複数の通信ネットワークをCubic3のクラウド型プラットフォームを通して融合させ、常時接続を可能にするシームレスな通信サービスの提供を目指します」

Cubic3とソフトバンクは、Intelsat、SkyloおよびViasatなどと共同で作成したeBook(電子書籍)『Ubiquitous Connectivity: For a Smarter Automotive Future(ユビキタスネットワーク:次世代モビリティ社会に向けて)』を、本日公開しました。本書では、乗用車や農業、その他の産業に関連する車両メーカーにおけるユビキタスネットワークの価値と可能性を、詳しく紹介しています。
eBookのダウンロードはこちら

Cubic3について

Cubic3は、200を超える国・地域でSDV向けの高度なコネクティビティソリューションを提供しています。乗用車をはじめ、農業や輸送関連の車両メーカーに対し、車両の通信接続に関する複雑な課題を解決しながら、各国・地域の法規制への対応を支援しています。車両メーカーは、世界で550以上のモバイル通信ネットワークに接続可能なCubic3のソリューションを活用することで、イノベーションの実現や事業の拡大、新たなビジネスの創出が可能になり、事業のさらなる効率化と持続可能な成長を促進することができます。また、2024年には、ソフトバンクとグローバルな戦略的提携を締結し、SDVやその他の高価値なモビリティ資産の未来を共に切り開く取り組みを本格的に開始しました。

[注]
  1. ※1
    SDV(Software Defined Vehicle)とは、主にインターネットに接続されたソフトウエアを通して機能を更新することができる車両のこと。
  2. ※2
    高価値なモビリティ資産とは、バイクや大型商用車、フリート車両、農業機械、大型建設機械、ドローンなど。
  3. ※3
    詳細は2024年9月17日付のプレスリリース(ソフトバンクとIntelsat、ユビキタスネットワークの実現に向けた共同技術検証を開始)をご覧ください。
  4. ※4
    2025年5月15日にパリで開催された5GAAのイベントでの実証に基づく
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。