プレスリリース 2026年

再エネ自家発電型基地局とAI制御による省電力化で
ネットゼロ実現を推進

~太陽光・風力のハイブリッド発電とAIを活用した基地局のスリープ制御で
通信インフラの脱炭素化を加速~

2026年1月8日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、サプライチェーン全体で温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現を目指し、通信インフラの脱炭素化などを推進しています。その一環として、電力を「作る」と「使う」の両面から環境負荷の低減に取り組むため、「太陽光・風力の再生可能エネルギー(再エネ)による自家発電型基地局の実証」と、「AI(人工知能)を活用した基地局のスリープ(Cell Sleep)を動的に制御するシステムの開発・導入」という二つの取り組みを開始しました。

1. 太陽光・風力の再エネによる自家発電型基地局の実証

ソフトバンクは、太陽光と風力による再エネ自家発電型基地局の実証を、千葉県市原市で開始しました。この基地局は、稼働に必要な電力の一部(約3分の1)を自家発電で賄うことで、CO2の排出量を削減します。また、停電時には一定時間自立稼働が可能なため、災害時の通信確保などにも貢献します。災害時などの活用を想定し、2026年度以降に一部地域へ拡大することを検討します。
(開発協力:レンドリース・ジャパン株式会社)

再エネ自家発電型基地局の特長

  1. (1)
    太陽光と風力によるハイブリッド対応で、天候や時間帯に左右されにくい持続的な発電を実現。
  2. (2)
    蓄電残量が規定値を下回ると自動的に商用電源に切り替わる仕組みで、スムーズな運用が可能。
  3. (3)
    停電時にも、蓄電池により一定時間の自立稼働が可能。電力が一時的に枯渇した場合にも、太陽光や風力により自動的に再充電・再稼働ができ、高いレジリエンスを実現。
  4. (4)
    レンズ状のカバー(ディフューザー)を装備したユニークな小型風車により、離島や山間部など風況が不安定な地域でも設置可能。

風力発電向けには、小型レンズ風車(3kW機)を採用しています。この風車は、風を効率的に集めて加速させるディフューザーを備え、3m/s程度の低風速でも高い発電効率を発揮することが特長で、一般的な同サイズの風車と比べて約2〜3倍の発電効率を実現します。また、設置面積が小さいため、離島・山間部などでの導入にも適しています。

この基地局の活用により、基地局で使用する電力における再エネ比率を高め、通信インフラの脱炭素化に向けた新たなモデルを構築します。

再エネ自家発電型基地局
再エネ自家発電型基地局

2. AIを活用した基地局のスリープを動的に制御するシステムの開発・導入

ソフトバンクは、AIを活用して基地局のスリープ制御を動的に行い、省電力効果の最大化を図るシステムを開発し、一部の基地局を対象に導入を開始しました。このシステムは、通信トラフィックが少ない時間帯に一部のセルを自動でスリープ(低消費電力状態)へ移行させ、通信品質を維持しながら消費電力の削減を実現します。

システムの特長

(1)AIによるスリープ対象セルの判定(特許出願済み)

AIで人流や通信トラフィックを分析することで、通信品質を維持しながら対象セルを判定します。基地局のスリープ制御は、対象となるセルのトラフィックが他の周辺基地局でカバーされ、かつそれらの周辺基地局の輻輳(ふくそう)が発生しないことを前提に行う必要があります。これまでは、スリープ時にも安定したサービスエリアを維持するために、周辺基地局が同じ建物にあり、アンテナの方向も同じという厳しい条件を設けて対象セルを判定していましたが、AIの分析により、通信品質を維持しながら対象セルを拡大することが可能です。この機能により、スリープ対象セルを約1万4,000セルから約2万4,000セルに拡大できる見込みです※1

(2)AIによるスリープ可否のパラメーター設定(特許出願済み)

AIを活用することで、スリープ可否を判断する際の閾値を動的に自動で設定します。これまでは、全ての基地局に対してトラフィックやスループットなどに関する一律の閾値を設定し、スリープ可否を判断していましたが、AIを活用することで、基地局ごとに最適化した閾値を動的に自動で設定することが可能です。これにより、各基地局の処理能力や周辺基地局の数などに応じて柔軟な閾値を設定できるため、1局当たりのスリープ時間が約1.4倍に拡大する見込みです※1。また、これまでは手動で閾値の設定を行っていたため頻繁な変更が困難でしたが、自動化により状況に応じて最適化された閾値を容易に設定することが可能になります。

(3)スリープによる品質低下時の自動最適化(特許権取得済み)

スリープ実施後に万が一該当セルの通信品質が低下した場合には、自動で通常運用へ移行させることで、安定した通信品質を確保します。

ソフトバンクは、このシステムの活用により省電力効果を最大化し、年間で約500万kWhの消費電力削減を見込んでいます※2

[注]
  1. ※1
    事前検証を基にした試算結果
  2. ※2
    2025年度内にこのシステムの導入を計画している一部の基地局を対象に、システム導入前後の消費電力量を比較して試算した結果
AIを活用した基地局のスリープ制御システム
AIを活用した基地局のスリープ制御システム

ソフトバンクのネットゼロに関する取り組み

ソフトバンクは、取引先などを含めたサプライチェーン全体で排出する温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現に向けて、グループ全体で取り組んでいます※3。その一環として、2030年度までに自社の事業活動で使用する電力の100%を実質再生可能エネルギー化し、そのうち50%以上を再エネによる発電で調達することを目指しています。

ソフトバンクの総電力使用量の半分以上を占める基地局については、SBパワー株式会社が供給する実質再生可能エネルギーへの切り替えを進め※4、2024年度には基地局で使用する電力の90%以上を実質再生可能エネルギー化しました。

ソフトバンクは、環境負荷の少ない通信インフラの構築をはじめ、「ネットゼロ」に向けた取り組みを強力に推進し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

[注]
  1. ※3
  2. ※4
    詳細は2020年8月6日付のプレスリリース「ソフトバンクの基地局に再生可能エネルギーを供給」をご覧ください。
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。