プレスリリース 2026年
通信基盤を生かしてAI時代の社会インフラを構築する
Telco AI Cloud構想を発表
~GPUクラウドとAI-RAN、AIデータセンター向けソフトウエアを統合し、
AIインフラプロバイダーを目指す~
2026年3月2日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)は、通信基盤を生かしてAI(人工知能)時代の社会インフラを構築するTelco AI Cloud構想を発表しました。
Telco AI Cloudは、GPU(Graphics Processing Unit)クラウドによる大規模なAIデータセンター基盤と、AI-RANによるMEC(Multi-access Edge Computing)基盤、AIデータセンター向けのソフトウエアスタック※1「Infrinia AI Cloud OS」を統合したAIインフラ構想です。学習から推論までのAI処理を最適化するとともに、全国規模の通信基盤を活用することで、低遅延・高信頼でソブリン性(データ主権性)を備えた分散型のAIインフラを構築します。ソフトバンクは、このTelco AI Cloud構想により、これまでの通信事業者の枠を超え、AIインフラプロバイダーへの進化を目指していきます。
Telco AI Cloudを構成する要素
Telco AI Cloudは、全国規模の通信基盤を有する通信事業者のソフトバンクだからこそ実現可能な構想です。ハイパースケーラーなどで見られる集中型クラウドとは異なり、通信ネットワークを活用した分散型のAIインフラを構築することが可能です。Telco AI Cloudは、主にAIの学習を担う大規模なAIデータセンター(GPUクラウド)と、推論向けに低遅延で処理を行うAI-RANのMEC基盤およびオーケストレーター、さらにそれらを統合管理するソフトウエアスタック「Infrinia AI Cloud OS」で構成されます。
ソフトバンクは、AI-RANのプロダクト「AITRAS(アイトラス)」において、AI処理とRAN(Radio Access Network)の制御に用いられる計算資源の需要をリアルタイムに把握し、リソースの空き状況やアプリケーション要件、消費電力予測などの複数の指標に基づいて、柔軟かつ動的に配分するオーケストレーター(以下「AITRASオーケストレーター」)の開発を進めています。Telco AI Cloudでは、RANも一つのAIアプリケーションとして統合管理され、通信ネットワークとAI処理基盤を横断した高度な計算資源の制御を実現します。
また、分散型のAIインフラでは拠点ごとに構成が異なるため、運用の複雑さが課題となります。この課題を解決するため、ソフトバンクは、GPUから通信ネットワーク、Kubernetes※2、AIワークロードまでを統合管理するソフトウエアスタック「Infrinia AI Cloud OS」を開発しました。これにより、学習から推論までのAI処理を最適化し、セキュアなマルチテナント型のGPUクラウドの運用を可能にします。
「Infrinia AI Cloud OS」の詳細は、2026年1月21日付のプレスリリース「AIデータセンター向けのソフトウエアスタック『Infrinia AI Cloud OS』を発表」をご覧ください。
Telco AI Cloudの実現に向けた関連発表
「MWC Barcelona 2026」の開催に向けて発表した、Telco AI Cloudの実現に向けた取り組みは下記の通りです。
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- フィジカルAI時代に向けた通信ネットワークの高度化
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フィジカルAI※3の社会実装に向けて協業を開始した、株式会社安川電機とのMECを活用したフィジカルAIロボットの取り組みに続き、エリクソン(NASDAQ:ERIC)と共同で、AI-RANを活用した低遅延で高信頼な通信ネットワークによるフィジカルAIの実証実験に成功しました。ロボットとネットワーク、計算資源を一体的に連携させ、AI処理の動的なオフロードとネットワークの最適化を可能にすることで、リアルタイム性が求められるフィジカルAIを支える次世代ネットワークを実現します。
<関連プレスリリース>
2026年2月27日発表「ソフトバンクとエリクソン、AI-RANを活用した低遅延・高信頼ネットワークによるフィジカルAIの実証に成功」
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- 産業分野におけるセキュアなエッジAI基盤の展開
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エッジデータセンター領域での「AITRAS」の展開に向けて、三菱重工業株式会社との協業を開始しました。オンプレミス環境でのセキュアかつ低遅延なAI推論を可能にし、製造業など産業分野における高度なエッジAI活用を推進します。
<関連プレスリリース>
2026年3月2日発表「ソフトバンクと三菱重工、AITRASを活用したエッジデータセンター領域での協業を開始」
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- AI-RANエコシステムの拡大
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AITRASオーケストレーターの中核機能の一つであるDynamic Scoring Framework(DSF)をオープンソース化しました。この機能は、マルチクラスター環境においてリソースの状況に応じた最適化を可能にするものです。これにより、パートナーやオープンソースソフトウエア(OSS)コミュニティーとの連携を促進するとともに、AI-RANの導入障壁を下げ、商用展開を加速させていきます。
<関連プレスリリース>
2026年2月18日発表「AI-RANのエコシステム拡大に向けて『AITRASオーケストレーター』をオープンソース化」AITRASオーケストレーターと、エリクソンのO-RAN準拠SMO(Service Management and Orchestration)やノキアのAIプラットフォームとの連携を強化し、AIとRANを横断した動的な計算資源の配分を実現します。これにより、SMOとの連携と外部AIワークロードの実行を可能にし、通信事業者のAIによる収益機会の創出を支援します。
<関連プレスリリース>
2026年2月27日発表「ソフトバンクとエリクソン、『AITRASオーケストレーター』と『Ericsson Intelligent Automation Platform』の連携を実現」
2026年2月25日発表「ソフトバンクとノキア、AI-RANで社外のAIワークロードを実行可能に」分散型AI-RAN基盤の発展を目指すOCUDU Ecosystem Foundationへの参画を通して、オープンかつグローバルなAI-RANエコシステムの形成を推進します。
<関連プレスリリース>
2026年3月1日Linux Foundation発表「Linux Foundation Announces OCUDU Ecosystem Foundation to Accelerate Open Source AI-RAN Innovation」(英語のみ)
- [注]
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- ※1ソフトウエアスタックとは、システムやアプリケーションの構築・運用に必要な複数のソフトウエアや機能を組み合わせて提供するものです。
- ※2Kubernetes(クバネティス)とは、アプリケーションのデプロイやスケーリングを自動化したり、コンテナ化されたアプリケーションを管理したりするためのオープンソースのシステムです。
- ※3フィジカルAIとは、ロボットのセンサーやカメラ、外部のシステムから得た情報をAIが解析・判断し、その結果に基づいてロボットが柔軟で複雑な動きができるようにする技術のことです。
- ※1
- SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
- その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
- ソフトバンク 先端技術研究所について
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ソフトバンク 先端技術研究所は「テクノロジーの社会実装」を使命に、次世代社会インフラを支える技術のAI-RANやBeyond 5G/6Gをはじめ、通信、AI、コンピューティング、量子技術、宇宙・エネルギー分野など、さまざまな先端技術の研究開発と事業創出を推進しています。国内外の大学・研究機関との産学連携や、パートナー企業との国際的な協業を通して、グローバルなビジネスの創出と、持続可能な社会の創造に貢献していきます。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。