プレスリリース 2026年

国内初、50G-PONを含む3世代のPON方式を
一つの光トランシーバーで共存させる
フィールドトライアルに成功

~既設の加入光ファイバーで100G-PONの重畳実証にも成功~

2026年9月8日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、Nokiaの協力の下※1、ソフトバンクの商用ネットワークの設備に接続した光ファイバーを用い、通信速度の異なる3世代の光通信方式であるGPON、XGS-PONおよび50G-PON※2を、一つの光トランシーバー※3で同一の光ファイバー上に共存させるフィールドトライアルに成功しました。GPON、XGS-PONおよび50G-PONは、1本の光ファイバーを複数の利用者で共有する「PON(Passive Optical Network)」と呼ばれる光通信方式です。この構成による商用環境でのフィールドトライアルを実施するのは国内初※4です。

また、商用ネットワークの設備に接続した既設の加入光ファイバー上で、現在利用されているGPONおよびXGS-PONの光信号と、将来実用化が予定されている100G-PONを想定した100Gbps光信号を重畳※5して伝送し、受信側で100Gbpsの伝送速度を確認しました。100G-PONの重畳実証の成功も国内初※6となります。

ソフトバンクは、今回の取り組みにより、既設の光ファイバーを生かしながら、通信需要の増加に応じて段階的にネットワークを高速・大容量化するための準備を進めます。

[注]
  1. ※1
    Nokiaの役割は、Tri-rate光トランシーバー、50G-PON関連機器および将来の100G-PONを想定した研究開発用試験システムの提供および技術支援です。
  2. ※2
    PON(Passive Optical Network):通信事業者の設備から延びる1本の光ファイバーを途中で分岐し、複数の利用者や拠点で共有する光通信方式。GPON:下り2.5Gbps級、XGS-PON:上り・下り10Gbps級、50G-PON:下り50Gbps級の規格上の伝送速度に対応。
  3. ※3
    光トランシーバー:通信装置に搭載され、電気信号と光信号を相互に変換する部品。
  4. ※4
    商用ネットワーク設備に接続した光ファイバーを用い、単一の光トランシーバーで、GPON、XGS-PONおよび50G-PONの3方式を共存させるフィールドトライアルを実施するのは国内初。2026年9月8日時点の公開情報に基づく(ソフトバンクおよびNokia調べ)
  5. ※5
    重畳:波長の異なる複数の光信号を、同一の光ファイバー上に重ねて伝送すること。
  6. ※6
    商用ネットワークの設備に接続した光ファイバー上で、GPONおよびXGS-PONの信号と、将来の100G-PONを想定した研究開発用100Gbps光信号を重ねて伝送し、受信側の信号測定により100Gbpsの伝送速度を確認した実証は国内初。2026年9月8日時点の公開情報に基づく(ソフトバンクおよびNokia調べ)

背景

生成AI(人工知能)やクラウドサービス、高精細映像などの利用拡大に伴い、通信量は今後も増加することが見込まれています。特に、ユーザーが画像や映像などをクラウドへ送信する際の上り通信の重要性が高まると考えられます。光アクセスネットワークは、家庭向けインターネットだけでなく、法人向け通信やモバイルネットワークの収容など幅広い用途で利用されており、増大する通信需要に対応するため、上り・下り双方の高速・大容量化が求められています。

一方で、通信速度の向上のために設備全体を置き替えることは効率的ではなく、既設の設備を生かしながら、通信需要に応じて新しい光通信方式を段階的に導入するネットワークの構築が重要になります。

こうした背景を踏まえ、ソフトバンクは、既存の設備を活用した光アクセスネットワークの高度化に向けて、今回のフィールドトライアルおよび実証を実施しました。

実証の概要

1. 3世代のPON方式を一つの光トランシーバーで共存させるフィールドトライアル

今回のフィールドトライアルでは、GPON、XGS-PONおよび50G-PONの3方式に対応する「Tri-rate光トランシーバー」を使用します。通常は、光通信方式ごとに光トランシーバーが必要ですが、一つの接続口と一つのTri-rate光トランシーバー※7で、3方式の光信号の送信を実現しました。GPON、XGS-PONおよび50G-PONは、それぞれ異なる波長の光を使用するため、同一の光ファイバー上での共存が可能です。今回のフィールドトライアルでは、この特長を生かし、既存のGPONおよびXGS-PONによる通信を維持しながら、同一の光ファイバー上に50G-PONを追加し、通信需要に応じて段階的に高速・大容量化する構成を検証しました。

[注]
  1. ※7
    Tri-rateトランシーバー:一つの光トランシーバーで、GPON、XGS-PONおよび50G-PONの3方式に対応する光通信部品。
図1:同一ファイバーにGPON、XGS-PONおよび50G-PONをTri-rateトランシーバーで接続した際の構成図
図1:同一ファイバーにGPON、XGS-PONおよび50G-PONをTri-rateトランシーバーで接続した際の構成図

2. 既設の加入光ファイバーを活用した100G-PONの重畳実証

100G-PONは、100Gbps級の伝送を目指して国際標準化に向けた検討が進められているPON技術です。今回の実証では、標準化済みの商用製品ではなく、Nokiaの研究開発用試験システムを使用しました。この研究開発用試験システムを用いて、既存のGPONとXGS-PONの光信号が伝送される既設の加入光ファイバーに、100G-PONを想定した100Gbps光信号を重畳し、受信側で光信号を測定することで、100Gbpsの伝送速度を確認しました。これにより、既設の加入光ファイバーを活用して、既存のPON方式と将来の100G-PONを想定した100Gbps光信号を同一の光ファイバー上で伝送できることを確認しました。

図2:同一ファイバーにGPON、XGS-PONおよび100G-PON信号を多重して同時利用した際の接続構成図
図2:同一ファイバーにGPON、XGS-PONおよび100G-PON信号を多重して同時利用した際の接続構成図

今後の展開

ソフトバンクは、50G-PONのフィールドトライアルで得られた知見を生かし、異なる世代のPONを1本の光ファイバー上で共存させることで、既存のGPONおよびXGS-PONによるサービスを提供しながら、50G-PONを必要な利用者や拠点へ柔軟に導入できるネットワークの実現を目指します。また、100G-PONについては、今回確認した100Gbps光信号の伝送結果を踏まえて、実際のデータを用いて安定性や実効速度、伝送距離、光ファイバーの分岐数、光信号の損失、既存のPON方式への影響など、将来の実用化に向けた検証を進めます。

ソフトバンクは、既設の光ファイバーの資産を有効活用しながら、幅広い通信需要や用途に応じて段階的かつ柔軟に高速・大容量化できる次世代の光アクセスネットワークの実現を目指します。

[注]
  1. 記載している通信速度は規格上の伝送速度であり、利用者が実際に利用できる通信速度を示すものではありません。
  2. 本実証で使用した100G-PON試験システムは研究開発用であり、商用サービスとして提供するものではありません。
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
ソフトバンクの通信ネットワークに関する取り組み

ソフトバンクはAI(人工知能)社会を支える通信基盤の構築に向けて、AIやビッグデータを活用し、通信品質の向上とネットワーク運用の高度化に取り組んでいます。

また、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、通信ネットワークの高度化と信頼性の向上を一体的に推進しています。地上ネットワークの強化や災害対策、さらに非地上系ネットワーク(NTN)との融合により、平常時から災害時まで安定した通信環境の提供を目指します。

  • 平常時における通信品質向上のため、都市部や全国各地で5G SA(スタンドアローン)を中核としたネットワーク基盤の整備を進めるとともに、AIやビッグデータを活用し、通信トラフィックの状況に応じてネットワークを効率的に運用することで、お客さまの体感品質を継続的に向上させています。
  • 大規模イベントや自然災害など、通信需要が急増する状況では移動基地局車や可搬型設備、ドローン基地局などを組み合わせて、安定した通信環境の確保に努めています。
  • ユビキタストランスフォーメーション(UTX)のビジョンの下、衛星通信や成層圏通信プラットフォーム(HAPS)などのNTNと、地上のモバイルネットワークの融合により、災害時の早期復旧や山間部・離島でのサービスエリア拡大など、陸・海・空のあらゆる環境で利用可能な通信基盤の構築を進めています。