プレスリリース 2019年

  1. 判断内容

特別委員会は、以上の経緯の下で、特別委員会の日本のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び米国法のリーガル・アドバイザーであるホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所/ホワイト&ケース法律事務所(外国法共同事業)から受けた法的助言、並びに特別委員会の専属ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるメリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言、2019年12月23日付けでメリルリンチ日本証券から取得したメリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンを踏まえて、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行った結果、同日付けで、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。

  1. (ⅰ)
    答申内容
    1. (a)
      本公開買付けを含む本経営統合は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的であると認められる。
    2. (b)
      本公開買付けを含む本経営統合に係る手続の公正性が確保されているものと認められる。
    3. (c)
      本公開買付けを含む本非公開化取引の条件(本公開買付けにおける本新株予約権及び本新株予約権付社債の価格を除く。)の妥当性は確保されているものと認められる。
    4. (d)
      上記(a)から(c)を踏まえ、本公開買付けを含む日米公開買付けに係る賛同意見表明及び本公開買付け後の株式の併合その他の方法による本非公開化取引を含む本経営統合に係る対象者取締役会決議は対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
    5. (e)
      対象者取締役会が本公開買付けを含む日米公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主及び本米国預託証券の保有者に対して対象者株式を本公開買付けを含む日米公開買付けに応募することを推奨することは相当と考えられる。
    6. なお、本米国公開買付けに関して本答申書を作成し、本答申書に記載される判断や意見を述べるに際して、特別委員会は、当該判断や意見の全て(手続の公正性に関するものか、本公開買付け及び本件非公開化手続における価格に関するものか、その他の事項に関するものかを問わない。)について、対象者及びそのアドバイザーから報告された下記の事項を前提とする。
      1. 本公開買付け、並びに本公開買付けを含む本非公開化取引に関連して米国証券取引委員会に提出される書類が、適用ある米国の証券規制(本米国預託証券を含む本米国公開買付けの対象となる証券の保有者に対して提案される価格、及びその他関連する条件(買付期間その他の米国の証券規制に基づき適用される公開買付けの手続要件を含む。)に関する開示を含むがこれらに限られない。)を遵守して行われる予定であること。
      2. 本公開買付けを含む本非公開化取引において本米国預託証券を含む本米国公開買付けの対象となる証券の保有者に対して支払われる価格が、本公開買付価格を本米国預託証券を含む本米国公開買付けの対象となる証券のテンダーエージェントが受領した日における相場その他の合理的な計算方法及び過程により定められた公正な相場に基づいて米ドルに換算した価格から、日本円から米ドルへの転換及び本米国預託証券の預託の取消しに伴って生じる通常の合理的な費用その他の公正な費用を控除して得た米ドル建ての価格となること。
      また、対象者は日米両国の証券取引所に上場しているため、特別委員会は、答申書で用いられている用語は、対象者が日本に上場している株式会社として直接的に適用を受ける日本の法令(会社法を含む。)において用いられる意味で用いられるものであることを明記しておく。特に、特別委員会の使用している「独立性」(対象者のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーに関するものを含むがこれらに限られない。)、特別委員会の「マジョリティ・オブ・マイノリティ」条件に関する議論、特別委員会の間接的な「マーケット・チェック」の議論及びその意味等の用語は、全て日本法及び経済産業省の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針―企業価値の向上と株主利益の確保に向けて―」において用いられる意味で用いられるものである。米国及び米国の各州においてもこれらの用語と類似の用語が存在する可能性があるが、これらの用語及び特別委員会の検討における当該用語の用法は、米国及び米国の各州における用語及び用法とは異なるものであり、いかなる開示においても、特別委員会の見解において、両者が補足的な説明なしに混同されてはならない。
  1. (ⅱ)
    検討
    1. (a)
      以下の点より、本公開買付けを含む本経営統合は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。
      1. 対象者プレスリリースの「3. 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「②本公開買付けの目的及び背景」に記載の本経営統合の目的・意義に関する対象者の認識については、客観的な状況と合致したものであり、また、アジアにおいて事業展開を積極的に行っている等の対象者の状況等に関する各委員の対象者の独立社外取締役としての理解からみても、対象者グループがZHDグループと対等の精神で本経営統合を実施し、統合後の統合会社の事業運営においても主体的な役割を果たすことを目指すことは、合理的であると判断される。
        1. 特別委員会は、上記のように本経営統合の目的が合理的であるとしても、実際に本経営統合を企業価値の向上に資するものと評価するには、統合会社の基本戦略・統合効果が重要であると考え、対象者執行陣、ZHD及び公開買付者らへのインタビューを行った結果、以下のとおり、総合的にみて、統合会社の基本戦略につき特段不合理な点はないほか、本経営統合による統合効果についても、相応の統合効果の創出が見込まれると判断した。
          1. 対象者執行陣とのやり取りを通じて、統合会社の基本戦略は、①基盤サービスにおいて国内で優位なポジションを早期に確立させることを目指すこと、②ZHDグループの顧客基盤と対象者グループの顧客基盤を相互に活用し、相互送客によるユーザー基盤の最大化を図っていくこと、及び③両社の技術力や知見を活用することで新たなサービスを開発することを通じ、「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」の早期実現を目指すことであると理解した。とりわけ、③について、統合会社において、AIを中心とするプロダクトを対象領域とし、キャッシュベースで毎年1,000億円規模の中長期的事業投資を実施するべく、かかる投資にかかる意思決定を行う予定であることを認識した。
          2. 対象者執行陣とのやり取りを通じて、対象者執行陣は、本経営統合による統合効果として、マーケティング事業、集客、フィンテック事業及び新規事業/システム開発におけるシナジーを考えていることを認識した。
          3. 特別委員会としては、対象者の代表取締役兼CWOである慎ジュンホ氏を、メッセージアプリであるLINEというビジネスモデルを作り出し、対象者創業の起点となった人物であり、これまでの対象者の企業価値の向上に多大な貢献をしてきた人物であると評価している。従って、特別委員会としては、同氏のこれまでの功績が本経営統合に当たっても正当な評価を受けるべきであり、かつ、統合会社の基本戦略・統合効果を考えるに当たっても、同氏が統合会社の重要な地位に就任し、統合会社の運営に当たっての中核的な地位を占めるべきであると認識した。
          4. 本経営統合による統合効果が現実的なものとなるには、それらを実現するための仕組みが必要であると考え、対象者執行陣と質疑応答した結果、統合会社のCo-CEO体制、取締役会の員数、統合会社グループが提供するプロダクトに関する意思決定を行うプロダクト委員会の構成メンバー等の統合会社のガバナンスにおいて、対象者とZHDが対等の立場で統合会社の運営を行う仕組みが確保されており、また、本経営統合の完了直後の統合会社のプロダクト委員会の責任者であるChief Product Officerは対象者の代表取締役兼CWOである慎ジュンホ氏が就任する予定であると理解した。これにより、特別委員会としては、同氏が統合会社の重要な地位に就任し、統合会社の運営にあたっての中核的な地位を占めることが予定されていると認識した。
          5. 上記の基本戦略・統合効果や統合効果の実現の仕組みについて、対象者執行陣の見解と、本経営統合の相手方であるZHDの見解が整合していることが必要であると考え、ZHDに対しても同様の質問を行って説明を求めた。これに対するZHDの回答は、対象者執行陣からの回答と同様のものであったため、特別委員会として、このことを根拠に、対象者執行陣とZHDの本経営統合に関する考え方に齟齬がないと判断した。
          6. 関係者の全て(対象者執行陣、ZHD及び公開買付者ら)に対して本経営統合によるディスシナジーの有無及びある場合はその内容も説明するよう求めたところ、いずれの関係者からもディスシナジーとして大きなものはないと認識している旨の回答を得た。特別委員会として、関係者の当該認識を慎重に検討し、対象者の置かれた客観的な状況等も踏まえ、こうした認識は特に不合理ではないと判断した。
      2. 特別委員会としては、対象者執行陣からは本経営統合は他の選択肢(その中には、他社との統合を行わず対象者がスタンド・アローンでの事業遂行を通じて成長することも含まれる。)と比較しても統合効果が大きく、対象者の企業価値の向上に資するとの説明がなされ、また、NAVERからは本経営統合によらずにNAVERが対象者株式を売却するような取引は想定していない旨の説明がなされ、対象者及びNAVERのいずれからも、本経営統合以外の現実的な選択肢が存在しないと認識している旨の回答を得たこと、また、対象者が置かれた事業環境、他社との統合を行わずに対象者がスタンド・アローンでの事業遂行を通じて成長する場合におけるリスク認識、ZHD以外の第三者との統合の可能性等を総合的に検討した結果、対象者の企業価値向上にとって、本経営統合はスタンド・アローンでの事業遂行よりも有効なものであり、かつ、本経営統合よりも有効であると認められる本経営統合以外の現実的な選択肢が存在するとは考えられないと判断した。
    2. (b)
      以下の点より、本経営統合においては、①取引条件の形成過程における独立当事者間取引と同視し得る状況の確保及び②一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点を踏まえ、一般株主利益を確保するための公正な手続が実施されており、本公開買付けを含む本経営統合に係る手続の公正性は確保されているものと認められる。
      1. 本経営統合においては、対象者において独立した特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められる。
      2. 特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所及びホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所/ホワイト&ケース法律事務所(外国法共同事業)並びにメリルリンチ日本証券の独立した助言を取得しているものと認められる。また、対象者は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及びシャーマンアンドスターリング外国法事務弁護士事務所並びにJPモルガン証券の独立した助言を取得しているものと認められる。
      3. 特別委員会は、本公開買付け及び本非公開化取引についての判断の基礎として、経験の豊かな独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるメリルリンチ日本証券からの株式価値算定書の取得をしていることが認められる。また、対象者は、本非公開化取引についての判断の基礎として、経験の豊かな独立した第三者算定機関であるJPモルガン証券からの株式価値算定書の取得をしていることが認められる。
      4. 特別委員会は、メリルリンチ日本証券からメリルリンチ・フェアネス・オピニオンを取得している。また、対象者は、JPモルガン証券からJPMフェアネス・オピニオンを取得している。
      5. 特別委員会は、本経営統合に係る対象者内の検討体制について、対象者執行陣から、本経営統合の検討及び決定に際しての対象者の意思決定過程における恣意性を排除する観点から、NAVERのGlobal Investment Officerを兼務している李海珍取締役は、本経営統合に関する対象者の取締役会の審議及び決議には参加せず、かつ、対象者の立場においてNAVERとの協議・交渉にも参加していないとの説明を受けた。また、特別委員会は、対象者執行陣に対し、社内における本経営統合の検討体制について質問し、本経営統合の対象者側の検討にNAVERの役職員を兼務する対象者の従業員は関与していないとの回答を得た。以上の説明及び回答に基づき、特別委員会としては、対象者においてNAVERから独立した検討体制が構築されているものと判断した。なお特別委員会は、NAVERの社内カンパニーであるSearch and Clova Companyの代表を兼務している対象者の代表取締役兼CWOである慎ジュンホ氏が対象者における本経営統合の検討及び決議に関与していることについては、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の説明のほか、(ⅰ)同氏がNAVERから対象者に転籍してから6年経過していること、(ⅱ)同氏はNAVERによる本経営統合の検討及び決定に際しての意思決定過程には一切関与しておらず、またこれに関与する立場にないこと、(ⅲ)同氏から、本経営統合への関与は専ら対象者の利益のために行うものとし、NAVER又はその関係者の立場で、対象者、ZHD、ソフトバンクその他の関係者との間で本経営統合に関する連絡、検討、協議及び交渉を一切行わないこと等が記載された確認書を取得していること、(ⅳ)同氏の関与は対象者において本経営統合を検討する上で必要不可欠であることを踏まえて、手続の公正性との関係で問題ないものと判断した。
      6. 本経営統合以外に対象者の企業価値向上策の選択肢が現実的にあり得るならば、こうした可能性を探るためのマーケット・チェックを積極的に行うことも考えられるため、NAVERに対して、特別委員会から、本経営統合とは逆にNAVERがその保有する対象者株式を売却するような取引が考えられるか検討・説明するよう要求したが、NAVERからは、そのような取引は想定していない旨の明確な回答を得た。したがって、特別委員会は、本件においては、本経営統合以外の現実的な選択肢が存在しないことを認識し、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックを実施する意義は乏しいと判断した。但し、M&Aに関する事実を公表し、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックを実施することは、NAVERが対象者株式の72.64%を所有し、かつ、その売却を検討していないこと、したがって第三者が本公開買付けを上回る価格で公開買付けを実施し、結果的に本公開買付けによりNAVERが買い付ける株式が少数に留まったとしても、それでもNAVERとしては本公開買付け後の本非公開化取引を実施することができることを踏まえたとしても、一定程度は有益であるところ、特別委員会として、本経営統合では、本公開買付けに関する事実の公表後、比較的長期間が確保されていると評価できることから、NAVERが他の競争的な公開買付けが行われたとしても本非公開化取引を開始することができる点を踏まえると、本非公開化取引に影響を与える可能性が限定的なものには留まるものの、間接的に他の買収者による買収提案の機会の確保が図られているものと評価した。
      7. 公開買付者らは、NAVERが対象者株式の72.64%を所有していることから、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定はしないとのことであり、特別委員会としてもこの点は合理的であると認めることができる。そのため、本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定はなされていないが、特別委員会としてこの点は不合理ではないと判断した。
      8. 本経営統合においては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。
      9. 特別委員会は、本経営統合において、本公開買付け後における本非公開化取引に際して、反対する株主に対する株式買取請求権又は価格決定請求権が確保できないスキームは採用されていないこと、本公開買付けの実施後速やかに本公開買付価格を基準とする株式併合を行う予定であることが開示される予定であること等を理由に、強圧性が排除されているものと判断した。
    3. (c)
      以下の点より、本公開買付けを含む本非公開化取引の取引条件(本公開買付けにおける本新株予約権及び本新株予約権付社債の価格を除く。)の妥当性は確保されているものと認められる。
      1. 買収の方法については、本非公開化取引は、対象者の株主をNAVERら及びソフトバンクのみとし、対象者を非公開化することを目的として行われるものであるところ、特別委員会は、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式併合を行う方法は、当該目的を実現するための方法として妥当かどうかについて慎重に議論した。また、特別委員会は、本公開買付けの買収対価の種類についても、現金対価の他に、NAVER、ソフトバンク又は統合会社となるZHDの株式等とすることも一応考えられるものの、NAVER、ソフトバンク及びZHDと対象者の事業は相当程度異なることに加え、現金対価であれば株式対価による場合の株価下落のリスクを回避できると考えられること等を踏まえて、その合理性について慎重に議論した。特別委員会としては、以上のような議論を総合的に勘案した上で、本公開買付けの買収対価の種類について妥当であると判断した。
      2. ①メリルリンチ算定書におけるDCF分析による算定の基礎とされている本事業計画について、特別委員会は、対象者執行陣からその作成経緯・目的、内容、重要な前提条件等の説明を受け、対象者執行陣に対して各論点について事業の成長性に関わるkey factor、主力事業のシナジーその他の諸論点等について質問を行い、回答を受け、本事業計画の合理性について慎重な議論を行った結果を踏まえ、②メリルリンチ算定書の算定方法及び算定内容について特に不合理な点は認められないところ、本公開買付価格は、メリルリンチ算定書の市場株価分析による評価レンジの上限値を上回っており、DCF分析による評価レンジの範囲内に収まっていること、③本公開買付価格のプレミアムは、同種の案件のプレミアムの水準との比較においても相当のプレミアムが加算されていると認められること、④メリルリンチ日本証券からメリルリンチ・フェアネス・オピニオンを取得していること、⑤特別委員会として、交渉への同席を自ら要請し、3度に亘って同席し、特別委員会としての意見を表明する等、実質的に関与した上で実施された対象者と公開買付者らとの間の真摯な交渉の結果合意された価格であること等からすれば、本公開買付価格は妥当であると認められる。
      3. なお、本公開買付けにおいては、本新株予約権及び本新株予約権付社債も対象となっているが、このうち、本新株予約権の買付価格は1円とされ、本新株予約権付社債の買付価格は額面と比べてディスカウントされた価格とされている。また、対象者は、本公開買付けの公表時点で、本新株予約権及び本新株予約権付社債について本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者及び本新株予約権付社債権者の判断に委ねる旨の意見表明を行う予定である。以上に鑑み、特別委員会は、本公開買付けにおける本新株予約権及び本新株予約権付社債の価格の妥当性については意見を留保する。
    4. (d)
      以上のとおり、本経営統合は対象者の企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められること、本経営統合に係る手続の公正性は確保されていると認められること、本公開買付けを含む本非公開化取引の条件(本公開買付けにおける本新株予約権及び本新株予約権付社債の価格を除く。)の妥当性は確保されていると認められることから、本公開買付けを含む日米公開買付けに係る賛同意見表明、及び本公開買付け後の株式併合その他の方法による本非公開化取引を含む本経営統合に係る対象者取締役会決議は、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
    5. (e)
      また、以上から、対象者取締役会が本公開買付けを含む日米公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主及び本米国預託証券の保有者に対して対象者株式を本公開買付けを含む日米公開買付けに応募することを推奨することは相当と考えられる。
  1. (e)
    特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

特別委員会は、企業価値評価及び価格交渉等に関する専門的助言及び補助を得るため、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるメリルリンチ日本証券に対して対象者株式の株式価値の算定を依頼するとともに、本公開買付けにおける対象者株式(本米国預託証券を含みます。以下「対象者普通株式等」)に係る買付価格が対象者普通株式等の保有者(公開買付者ら及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正であるか否かについての意見書(フェアネス・オピニオン)の提出を依頼し、下記に記載の前提条件その他一定の条件の下で、2019年12月23日付けで、メリルリンチ算定書及び本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格が、一定の前提条件の下、対象者普通株式等の保有者(公開買付者ら及びその関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨のメリルリンチ・フェアネス・オピニオンを取得したとのことです。
メリルリンチ日本証券は、対象者作成の本事業計画や、対象者の株式価値の各種評価手法を検討し、以下の二つの評価手法によることが適切と判断したとのことです。

  1. 対象者株式が東京証券取引所市場第一部に上場していることから市場株価分析
  2. 対象者が継続企業であるとの前提の下、将来の事業活動の状況を算定に反映するために、下記に記載の前提条件その他の一定の条件の下で、DCF分析

なお、メリルリンチ日本証券は公開買付者ら及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本非公開化取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。

メリルリンチ日本証券によれば、当該手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

採用手法 対象者株式の1株当たりの株式価値の算定範囲
市場株価分析 3,570円 ~ 4,585円
DCF分析 4,701円 ~ 6,293円

メリルリンチ日本証券が用いた市場株価分析では、2019年11月13日の東京証券取引所の売買立会時間終了後に本経営統合に関する憶測報道がなされたことを受け、2019年11月13日を算定基準日として、東京証券取引所市場第一部における対象者株式の基準日終値4,585円、基準日から遡る1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値(それぞれ4,085円、3,934円及び3,570円)を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を3,570円から4,585円までと評価しているとのことです。
DCF分析では、対象者がメリルリンチ日本証券に提供した、対象者作成の事業計画及び財務予測、対象者作成の事業計画における収益や投資計画、その他一般に公開された情報等の諸要素等に基づき実施しているとのことです(但し、後記のとおり、メリルリンチ日本証券は、これらの資料について、独自にその正確性及び完全性について検証を行っておらず、また独自にその検証を行う責任も義務も負っていないとのことです。)。対象者の各事業が創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り戻して企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を4,701円から6,293円までと評価しているとのことです。また、対象者の指示に基づき、メリルリンチ日本証券が、DCF分析による算定において前提とした対象者の事業計画については、2019年12月期及び2020年12月期のそれぞれにおいて戦略事業への投資と多額のマーケティング費用の計上を見込むことから営業赤字を、2021年12月期以降はマーケティング費用の削減や事業投資の効果による収益性の向上により、大幅な増益を見込んでいるとのことです。なお、DCF分析に反映された当該事業計画及びフリー・キャッシュ・フロー(後述)には本経営統合によるシナジーは含まれていないとのことです。また、割引率(加重平均資本コスト)については、株式価値評価実務において一般的に用いられているCAPM(資本資産価格モデル)理論に基づき分析を行っているとのことであり、対象者の各事業に応じて5.75%から6.75%の範囲又は9.50%から10.50%の範囲の割引率を適用しているとのことです。継続価値の算定については永久成長率法を使用し、対象者からの指示に基づき永久成長率を1.25%から1.75%としているとのことです。

[注]
  1. メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンは、対象者の取締役会の特別委員会がその立場において本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格を財務的見地から検討することに関連し、かつ、かかる検討を目的として対象者の取締役会の特別委員会に対してその便宜のために提出されたものとのことです。メリルリンチ・フェアネス・オピニオンは本経営統合に関連してそれ以外何らの意見又は見解を表明するものではなく、本経営統合に関連して関係当事者のいかなる他の種類の証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。メリルリンチ日本証券は、本経営統合の形態、ストラクチャー等を含め本経営統合の条件その他の側面(メリルリンチ・フェアネス・オピニオンに明記される範囲における本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格を除く。)について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、対象者にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本経営統合の相対的な利点又は本経営統合の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。また、本経営統合又はそれに関連する事項について、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募すること又はしないこと、対象者の株主の皆様がどのように議決権を行使し又は行動すべきかについて何ら意見を述べ又は推奨するものでもないとのことです。また、本経営統合の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格との比較における公正性(財務的か否かを問いません。)について、何らの意見又は見解も表明するものではないとのことです。また、本公開買付けに関連する為替レートの影響について、何らの意見又は見解を表明するものではなく、メリルリンチ・フェアネス・オピニオンは、上述のとおり日本円で表示される本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格にのみ基づくものとのことです。メリルリンチ日本証券は、本経営統合が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において対象者普通株式等が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもないとのことです。ご案内のとおり、メリルリンチ日本証券は、対象者の全部若しくは一部の買収又はその他の代替取引について第三者に興味を示すよう、また提案を行うよう、勧誘することを依頼されておらず、かつ勧誘をしていないとのことです。
    メリルリンチ日本証券は、メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンに関し、以下を含む作業を実施したとのことです。
    • 対象者の事業及び財務に関する一定範囲の公開情報の検討
    • 対象者の経営陣からメリルリンチ日本証券に対して提供され、又は対象者の経営陣とメリルリンチ日本証券との間で協議が行われた対象者の業務及び見通しについての社内財務・業務情報(対象者の経営陣が作成した対象者の財務予測(以下「対象者予測」)を含む。)の検討
    • 対象者の過去及び現在の事業、業務、財務状況及び見通しについての対象者の経営陣との協議
    • 対象者株式の東京証券取引所市場第一部における市場株価の推移の検討、及びメリルリンチ日本証券が関連すると判断した他の企業の普通株式の市場株価の推移との比較分析
    • 対象者の財務及び株式市場に関する情報と、弊社が関連すると判断した他の企業の該当情報との比較分析

    メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンを作成し、その基礎となる評価分析を行うに当たり、メリルリンチ日本証券は、公開されている又は同社に対して提供され若しくは同社が別途検討し若しくは協議した財務その他の情報及びデータについて独自の検証を行うことなく、それらが正確かつ完全であることを前提とし、かつその正確性及び完全性に依拠しているとのことであり、また当該情報又はデータがいかなる重要な点においても不正確となる又は誤解を招くおそれのあるものとなるような事実又は状況を認識していないという対象者の経営陣の表明に依拠しているとのことです。さらに、メリルリンチ日本証券は、対象者の経営陣が作成した対象者予測について、それが対象者の将来の業績に関する対象者の経営陣による現時点で入手可能な最善の予測と誠実な判断を反映し、合理的に作成されたものである旨の表明を対象者より受けているとのことであり、対象者の取締役会の特別委員会の指示に従い、そのことを前提としているとのことです。メリルリンチ算定書は、必然的に、(当該分析に別段の記載がある場合を除き)メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの日付け現在の金融、経済、為替、市場その他の条件及び情勢を前提としており、かつ、同日現在においてメリルリンチ日本証券が入手可能な情報に基づいているとのことです。メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの日付け以降に発生する事象がメリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの内容に影響を与える可能性がありますが、メリルリンチ日本証券は、メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンを更新、改訂又は再確認する義務を負うものでないことが了解されているとのことです。メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンは、メリルリンチ算定書又はメリルリンチ・フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又はメリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではないとのことです。
    上述のとおり、上記のメリルリンチ日本証券による分析の記載は、同社が上記のメリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンに関連して対象者の取締役会の特別委員会に提示した主要な財務分析の概要であり、メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンに関連してメリルリンチ日本証券が行った全ての分析を網羅するものではないとのことです。メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、従って、その一部の分析結果又は要約を記載することは適切ではないとのことです。メリルリンチ日本証券による分析は全体として考慮される必要があるとのことです。さらに、あらゆる分析及び考慮された要因又は分析に関する説明のための記載全てを考慮することなく一部の分析や要因のみを抽出したり表形式で記載された情報のみに着目することは、メリルリンチ日本証券による分析及び意見の基礎をなす過程についての誤解又は不完全な理解をもたらすおそれがあるとのことです。ある特定の分析が上記概要において言及されていることは、当該分析が同概要に記載の他の分析よりも重視されたことを意味するものではないとのことです。
    メリルリンチ日本証券は、分析を行うに当たり、業界の業績、一般的な事業・経済の情勢及びその他の事項を考慮しているとのことですが、その多くは公開買付者ら及び対象者により制御できないものとのことです。メリルリンチ日本証券による分析の基礎をなす対象者の将来の業績に関する予測は、必ずしも実際の価値や将来の結果を示すものではなく、実際の価値や将来の結果は、当該予測と比較して大幅に良好なものとなる又は悪化したものとなる可能性があるとのことです。メリルリンチ日本証券の分析は、メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの分析の一環としてなされたものであり、メリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの提出に関連して対象者の取締役会の特別委員会に対して提供されたものとのことです。メリルリンチ日本証券の分析は、鑑定を意図したものではなく、企業が実際に売却される場合の価格又は何らかの証券が取引された若しくは将来取引される可能性のある価格を示すものでもないとのことです。従って、上記の分析に使用された予測及び同分析から導かれる評価レンジには重大な不確実性が本質的に伴うものであり、それらが対象者の実際の価値に関するメリルリンチ日本証券の見解を示すものと解釈されるべきではないとのことです。
    本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格は、ファイナンシャル・アドバイザーではなく、公開買付者ら及び(重要な局面においては特別委員会の意見、意思、要請等に基づく)対象者の交渉により決定されたものです。本公開買付けに対し賛同意見の表明を実施することの決定は、もっぱら対象者の取締役会によって、対象者の取締役会の特別委員会の勧告に基づきなされたものであり、メリルリンチ日本証券のメリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンは、上述のとおり、対象者の取締役会の特別委員会が本経営統合を検討するに際して考慮された多くの要因の一つにすぎず、対象者の取締役会の特別委員会の本経営統合又は本公開買付けにおける対象者普通株式等に係る買付価格についての見解を決定付ける要因と解釈されてはならないとのことです。
    メリルリンチ日本証券は、対象者の資産又は負債(偶発的なものか否かを問いません。)について独自の鑑定又は評価を行っていないとのことで、また、かかる鑑定又は評価を提供されていないとのことです。また、同社は、対象者の財産又は資産の実地の見分も行っていないとのことです。メリルリンチ日本証券は、破産、支払不能又はこれらに類似する事項に関するいかなる適用ある法令の下でも、対象者の支払能力又は公正価値について評価を行っていないとのことです。メリルリンチ日本証券は、対象者の取締役会の特別委員会の指示に従い、本公開買付けが重要な条件又は合意事項を放棄、修正又は改訂することなくその現在想定されている条件に従い完了されること、及び本経営統合に必要な政府、当局その他の認可、承認、免除及び免責を得る過程において、公開買付者ら若しくは対象者又は本経営統合が予定している利益に悪影響を及ぼすような、遅延、制限、制約又は条件が課されること(排除措置又は変更措置が課されることを含みます。)がないことを前提としているとのことです。
    メリルリンチ日本証券は、本非公開化取引を含む本経営統合全体に関して対象者の取締役会の特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに対し対象者から手数料を受領するとのことです。その一部はメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの提出により支払われるものとされ、その大部分は本公開買付け及び対象者スクイーズアウトの完了を条件としているとのことです(但し、本公開買付けの完了後、2020年12月末までに対象者スクイーズアウトが完了しなかった場合、本手数料は2021年1月1日に支払われることとなるとのことです。)。また、対象者は、メリルリンチ日本証券の関与に関してメリルリンチ日本証券が負担する費用及び同社の関与から発生する一定の責任について同社に補償することを合意しているとのことです。
    メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、フルサービスの証券会社かつ商業銀行であり、幅広い企業、政府機関及び個人に対して、投資銀行業務、コーポレート及びプライベート・バンキング業務、資産及び投資運用、資金調達及び財務アドバイザリー・サービス並びにその他商業サービス及び商品の提供を行うとともに、証券、商品及びデリバティブ取引、外国為替その他仲介業務、及び自己勘定投資に従事しているとのことです。メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、その通常の業務の過程において、公開買付者ら、対象者及びZHD並びにそれぞれの関係会社の株式、債券等の証券又はその他の金融商品(デリバティブ、銀行融資又はその他の債務を含みます。)について、自己又は顧客の勘定において投資し、それらに投資するファンドを運用し、それらのロング・ポジション若しくはショート・ポジションを取得若しくは保有し、かかるポジションにつき資金を提供し、売買し、又はその他の方法で取引を実行することがあるとのことです。
    メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、公開買付者ら、対象者及びZHD並びにそれらの関係会社に対して、投資銀行サービス、商業銀行サービスその他の金融サービスを過去において提供しているとのことで、また現在もそのようなサービスを提供し又は将来においても提供する可能性があり、かかるサービスの提供に対して手数料を受領しているとのことで、また将来においても手数料を受領する可能性があるとのことです。これには、(ⅰ)2018年3月にSBGで行われた2015年発行外貨建普通社債の交換募集及び同意勧誘についてディーラー・マネージャー及びコンセント・ソリシテーション・エージェントを務めたこと、(ⅱ)2018年4月にSBGで行われた33億米ドルの米ドル建て普通社債の発行についてジョイント・グローバル・コーディネーターを務めたこと及び(ⅲ)2018年12月に上場及び価格決定が行われたソフトバンクの新規株式公開についてインターナショナル・アクティブ・ジョイント・ブックランナーを務めたことを含みますがこれらに限られないとのことです。
    メリルリンチ日本証券は、対象者又は本非公開化取引に関連する法律、規制、会計、税務及び類似の事項について何ら意見又は見解を表明するものではなく、これらの事項について、対象者の取締役会の特別委員会の指示に従い、対象者による評価に依拠しているとのことです。メリルリンチ日本証券は、対象者が、これらの事項について資格を有する専門家から対象者が必要と認める助言を得ているものと理解しているとのことです。

  1. (f)
    特別委員会における独立した法律事務所からの助言の取得

対象者プレスリリースによれば、特別委員会は、手続の公正性に関する専門的助言を得るため、前記「(d) 対象者における特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者ら、ZHD及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所及びホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所/ホワイト&ケース法律事務所(外国法共同事業)を選任し、本非公開化取引の諸手続並びに本非公開化取引に係る特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。
なお、中村・角田・松本法律事務所及びホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所/ホワイト&ケース法律事務所(外国法共同事業)は、公開買付者ら、ZHD及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本非公開化取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。

  1. (g)
    対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見

対象者取締役会は、前記「1. 買付け等の目的等」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「③対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及びシャーマンアンドスターリング外国法事務弁護士事務所から受けた法的助言、JPモルガン証券から受けた財務的見地からの助言、同日付けで提出を受けたJPM算定書及びJPMフェアネス・オピニオン、並びに特別委員会を通じて提出を受けたメリルリンチ算定書及びメリルリンチ・フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本非公開化取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本非公開化取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
その結果、対象者取締役会は、前記「1. 買付け等の目的等」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「③対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本非公開化取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本非公開化取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、本日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した対象者の取締役全員一致で、本日時点における対象者の意見として、本公開買付けを含む日米公開買付けが開始された場合には、本公開買付けを含む日米公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主及び本米国預託証券の保有者の皆様に対しては、対象者株式を本公開買付けを含む日米公開買付けに応募することを推奨すること、及び本新株予約権者及び本新株予約権付社債権者の皆様に対しては、本新株予約権及び本新株予約権付社債を本公開買付けを含む日米公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者及び本新株予約権付社債権者の皆様の判断に委ねることを決議したとのことです。
また、上記取締役会には、業務上の都合により欠席した社外監査役1名(行方 洋一氏)を除き、対象者の監査役2名(いずれも社外監査役)が審議に参加し、その全ての監査役が、上記決議につき異議がない旨の意見を述べているとのことです。なお、上記取締役会に欠席した行方 洋一氏からも、上記取締役会に先立ち、本公開買付けを含む日米公開買付けに関する説明を行ったうえで、上記決議につき監査役として異議がない旨を確認しているとのことです。
なお、対象者の取締役のうち、李海珍は、NAVERのGlobal Investment Officerを兼務しているため、本公開買付けの提案前においては、本経営統合の検討及び決定に際しての対象者の意思決定過程における恣意性を排除する観点から、本経営統合に関する対象者の取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場においてNAVERとの協議・交渉にも参加していないとのことです。また、本公開買付けの提案後においては、本公開買付けの検討に際しての対象者の意思決定過程における恣意性を排除する観点から、上記本日開催の取締役会を含む本公開買付けを含む本経営統合に関する対象者の取締役会の審議及び決議には参加せず、かつ、対象者の立場においてNAVERとの協議・交渉にも参加していないとのことです。

  1. (h)
    他の買付者からの買付機会等を確保するための措置

対象者は、公開買付者らとの間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。
また、公開買付者らは、公開買付期間について、国内の法令に定められた最短期間である20営業日より長い、30営業日以上とすることを予定しております。公開買付者らは、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しております。

③ 算定機関との関係

NAVERのファイナンシャル・アドバイザー(算定機関)であるドイツ証券は、公開買付者ら、ZHD及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません(本経営統合に関する一連の取引に係る業務に関連して受領する手数料を除きます。)。
また、ソフトバンクのファイナンシャル・アドバイザー(算定機関)である野村證券は、公開買付者ら、ZHD及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。