プレスリリース 2023年

「デジタルツイン・キャンパス ラボ」において
デジタルツインを活用した自動運転バスの運行高度化の
実証実験を開始

2023年5月31日
ソフトバンク株式会社
慶應義塾大学SFC研究所

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)と慶應義塾大学SFC研究所(以下「SFC研究所」)が設立した「デジタルツイン・キャンパス ラボ」は、デジタルツインを活用した自動運転バスの運行の高度化に向けた実証実験を、2023年5月から慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(所在地:神奈川県藤沢市、以下「SFC」)で開始しました。

この実証実験では、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」が開発したデジタルツインプラットフォーム(以下「DTCLプラットフォーム」)上で、建物の屋上に設置したセンサーの情報や信号機の灯火予測情報などを再現し、SFC研究所が神奈川中央交通株式会社と共同で研究し運行している自動運転バスの走行システムにその情報を提供します。

自動運転バスの運行において、車両に設置したセンサーやカメラだけでは検知できる範囲に限界があることが課題となっています。そこで、屋外に設置したセンサーの情報などを「DTCLプラットフォーム」上で再現し、それらの情報を自動運転バスに共有することで、自動運転バスの運行を高度化するとともに、快適で安全な運行を目指します。

なお、この実証実験は、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」が2022年10月から取り組んでいる、物理空間(実際のキャンパス)と仮想空間(デジタル化したキャンパス)の相互連携による問題発見や課題解決、自己位置推定技術などの研究開発の一環で行うものです。

[注]
  1. 詳細は2022年9月12日付のプレスリリース「慶應義塾大学SFC研究所とソフトバンク、『デジタルツイン・キャンパス ラボ』を始動」をご覧ください。

実証実験の概要

今回は、下記の二つのユースケースの実現に取り組みます。

(1)右折時の対向車検知

自動運転バスのセンサーだけでは、遠方から接近する車両の認識が困難なケースがあります。そのような状況で、建物の屋上に設置したセンサーの情報を通信を介して共有することで、車両だけでは認識できないエリアを補完し、車両が認識するエリアを拡張することが可能です。

今回、SFC内の右折ポイントにおいて対向直進車の情報を、「DTCLプラットフォーム」からリアルタイムに取得できるようにしました。従来は運転士が目視で確認して手動で右折を実施していましたが、「DTCLプラットフォーム」から情報を取得することにより、対向直進車がいなければ自動で右折するような運行へと高度化することが可能になります。

(1)右折時の対向車検知

(2)信号機の灯火予測による快適で安全な車両の運行

自動運転バスにおいて、信号機の情報は非常に重要です。例えば、信号機が赤になりそうであれば事前に減速するなど、乗り心地や安全性を改善することができます。一方で、車両に設置したカメラで信号機の灯火情報を検知する場合、逆光などが原因でうまく検知できないなどの課題があります。

今回は、SFC周辺の信号機の灯火情報について、信号機を映した固定カメラの映像などを基にAI(人工知能)による推定を行い、「DTCLプラットフォーム」から取得できるようにしました。また、過去の灯火情報に基づいて、信号がどれくらいの時間で変わりそうかも予測することができます。この情報を自動運転バスと連携することで、より快適で安全な運行サービスの実現が可能になります。

(2)信号機の灯火予測による快適で安全な車両の運行

「デジタルツイン・キャンパス ラボ」では、このようなデジタルツインの情報を活用した自動運行バスの高度化に向けた実証実験を行っていきます。今後もソフトバンクとSFC研究所は、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」において、先端技術を活用した次世代情報インフラの研究開発を推進していきます。

自動運転バスの運行について

  • 運行時間:春/秋学期中の平日 午前10時30分~午後6時30分
  • 運行区間:SFC内 看護医療学部発着の循環線
    片道約2.2km(公道0.9km、大学構内1.3km)
[注]
  1. 運行に関する詳細は、こちらをご確認ください。

この取り組みの詳細は、ソフトバンク株式会社 先端技術研究所のウェブサイトをご覧ください。
URL:https://www.softbank.jp/corp/technology/research/story-event/010/

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