プレスリリース 2025年

北海道と九州に国際海底ケーブルの陸揚げ拠点を新設

  • 総務省「国際海底ケーブルの多ルート化によるデジタルインフラ強靭化事業」に採択
  • 陸揚げ拠点の地方分散により国際通信網の強靭化とレジリエンスの強化を目指す

2025年7月4日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、総務省が推進する「国際海底ケーブルの多ルート化によるデジタルインフラ強靭化事業」のうち、「水底線路陸揚局整備事業および水底線路整備事業(国際海底ケーブル分岐支線・分岐装置)」に係る事業の公募において、ソフトバンクの国際海底ケーブルの陸揚げ拠点の新設に関する事業が採択されましたので、お知らせします。ソフトバンクは、今回の採択に伴う補助金を活用して、アジアと米国を結ぶ国際海底ケーブル「E2A」における、北海道苫小牧市および福岡県糸島市への陸揚げ拠点の新設を推進するため、関係各所との調整を開始します。陸揚げ拠点の地方分散により、国際通信網の強靭化とレジリエンスの強化を目指します。

北海道と九州に国際海底ケーブルの陸揚げ拠点を新設

陸揚げ拠点の新設に向けた背景

近年、AI(人工知能)の急速な発展により、国際データ通信量が爆発的に増加する中で、安定した国際通信ネットワークの確保は、経済成長や社会基盤の維持にとって不可欠な要素となっています。また、大地震などの大規模災害時の通信途絶への対策も喫緊の課題となっています。こうした中、政府は「デジタル田園都市国家構想」を掲げ、データセンターや海底ケーブルなどのデジタルインフラの強靭化と地方分散を推進しています。ソフトバンクはこの実現に向けて、データの処理と電力の消費を全国に分散する次世代社会インフラ構想の下、データセンターや国際通信網の分散および強靭化を進めています。この一環として、既存の「ソフトバンク丸山国際中継所」(千葉県南房総市)に加え、苫小牧市と糸島市に新たな陸揚げ拠点を分散配置することで、国際通信網のさらなる強靭化とレジリエンスの強化を図ります。

苫小牧市および糸島市における陸揚げ拠点の意義

北海道と、福岡県をはじめとする九州は、東京・大阪エリアに集中するデジタルインフラを代替・補完する中核拠点として、今後さらにインフラの集積が期待される地域です。中でも苫小牧市と糸島市は、アジアと北米を結ぶ地理的に最適なルート上に位置し、既存の陸揚げ拠点からの距離も十分に確保できることから、リスク分散に最適な地域です。

  • 苫小牧市:北米との通信に地理的優位性があり、低遅延かつ高品質な通信の需要に応えます。また、半導体・金融などのグローバル産業やAI関連産業の誘致、データセンターの集積による経済効果、ソフトバンクが現在建設中の北海道苫小牧AIデータセンターとのシナジーも期待されます。
  • 糸島市:東アジア地域との接続に適した地理的特性を持ち、日本の国際通信ハブとしての地位強化に貢献します。多様な顧客層へのサービス提供に加え、半導体関連産業の集積地として、地域経済の活性化が期待されます。

今後の展開

E2Aにおける陸揚げ拠点の新設は、ソフトバンクの次世代社会インフラ構想の実現や、災害時の事業継続計画(BCP)における重要な要素であり、持続可能な社会基盤の構築を通して未来の社会経済の発展に貢献することを目指します。また、陸揚げ拠点の新設により、苫小牧市と糸島市における経済活性化を推進し、地域社会の発展に貢献します。

今後ソフトバンクは、ケーブル敷設ルートや陸揚げ地点、設備仕様、建設スケジュールについて関係各所との調整を開始する予定です。この過程において、地元関係者の皆さまとの継続的な対話を重視し、地域社会への貢献、環境保全、漁業活動への配慮などのさまざまな観点で、関係者との相互理解を深めながら事業を進めていきます。また、透明性のある情報公開に努め、地域社会との信頼関係の構築に尽力します。

E2Aについて

E2Aは、アジアと北米間のデジタル接続を大幅に強化する、総延長約1万2,500kmの太平洋横断の光海底ケーブルです。丸山(日本・千葉)、頭城(台湾)、釜山(韓国)およびモロベイ(米国カリフォルニア州)での陸揚げが決まっており、アジアと北米の主要なデジタルハブ間を接続します。高速かつ堅牢なバックボーンネットワークにより、太平洋地域におけるAIアプリケーションやデータセンター、クラウドサービスでの活用が可能になります。なお、E2Aは、複数の通信事業者が参画するE2Aコンソーシアムによって運営されており、システム供給はAlcatel Submarine Networks(ASN)が行います。E2Aの詳細は、2025年3月24日付のプレスリリース「アジアと米国を結ぶ光海底ケーブル『E2A』の建設に合意」をご覧ください。

[注]
  1. Chunghwa Telecom Co., Ltd.、SK Broadband Co. Ltd.、ソフトバンクおよびVerizon Business Global LLCで構成されたコンソーシアムです。
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。