プレスリリース 2025年
HAPS用高エネルギー密度電池パックと
高効率太陽電池の研究開発がNEDOの
「経済安全保障重要技術育成プログラム/
高高度無人機による海洋状況把握技術の開発・実証」に採択
〜2024年度のフィジビリティスタディに続き、
2028年度の成層圏での実証に向けて4年間の事業を推進〜
2025年10月6日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「経済安全保障重要技術育成プログラム/高高度無人機による海洋状況把握技術の開発・実証」の研究開発項目である「高高度無人機の長期航行技術に関する研究開発」において、ソフトバンクが提案した「HAPS用高エネルギー密度電池パックおよび高効率発電が可能な太陽電池の研究開発」が、2025年度から4年間の事業として採択されましたのでお知らせします※1。
ソフトバンクは、2024年度も同研究開発項目で採択※2され、エナックス株式会社、国立研究開発法人産業技術総合研究所および長州産業株式会社と共に、蓄電池と太陽電池の技術に関するフィジビリティスタディを行いました。今回採択された研究開発は、2024年度のフィジビリティスタディの成果を踏まえて新たに提案したものであり、契約上は独立した事業ですが、技術的には継続した取り組みとして位置付けられています。今後4者は、HAPS(High Altitude Platform Station、成層圏通信プラットフォーム)の長期航行の実現に向けて、高エネルギー密度の電池パック(蓄電池)と発電効率が高い太陽電池の研究開発を行います。また、それぞれの軽量化と成層圏での耐環境性を両立するモジュール化技術の開発を進め、2028年度に成層圏での実証(性能試験)を行う予定です。
研究開発の背景と今後の取り組み
HAPSは、日中は機体表面に搭載した太陽電池により発電した電力を、夜間は日中に電池パックに蓄えた電力を動力源として成層圏を飛行します。そのため、冬季の日照時間が短いヨーロッパや日本のような高緯度地域では、通年での長期航行に課題が生じます。この課題を解決するためには、電力消費量に関わる機体重量を低減するために、機体重量の大部分を占める電池パックや太陽電池の軽量化に加え、太陽電池の発電効率を高めることが求められます。
電池パックの軽量化には、リチウムイオン二次電池よりも重量や体積を削減できる、リチウム金属電池のような重量エネルギー密度(Wh/kg)が高い次世代電池セルの性能を把握し、電池パック化する技術が必要です。また、太陽電池の軽量化と高効率化には、地上と太陽光スペクトルが異なる成層圏の環境や極低温下での太陽電池のチューニング、使用部材の薄型化および軽量化が重要となります。
2024年度に実施したフィジビリティスタディでは、HAPS用の蓄電池および太陽電池技術に関する課題抽出と、必要な要件定義の作成に取り組みました。今後は、高エネルギー密度の電池パックと発電効率の高い太陽電池について、安全性を担保してHAPSに搭載するための耐環境性と軽量化を両立するモジュール化技術の開発を進め、2028年度に成層圏での実証を行う予定です。これにより、日本のような高緯度地域におけるHAPSの通年飛行の実現を目指していきます。
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- ※1実施内容・採択テーマについての詳細は、こちらをご覧ください。
- ※2詳細は2024年9月25日付のプレスリリース「HAPS用高エネルギー密度電池パックおよび高効率発電が可能な太陽電池の研究開発について」をご覧ください。
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