プレスリリース 2026年

ソフトバンクとエリクソン、AI外部制御による
Massive MIMO基地局のカバレッジ最適化システムを導入

~大阪・関西万博での実証で5Gの下りスループットを約24%改善することに成功~

2026年1月29日
ソフトバンク株式会社
エリクソン・ジャパン株式会社

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)とエリクソン・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:野崎 哲、ジャワッド・マンスール、以下「エリクソン」)は、2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)での実証成功を受け、首都圏の大規模アリーナやドーム型施設など日本国内の複数の大規模イベント施設に、AI(人工知能)を活用した外部制御により、トラフィックの変化に応じてMassive MIMO対応基地局のカバレッジパターンを自動で最適化するシステム(以下「本システム」)を導入しました。

大規模イベント施設やテーマパークなどでは、通常時とイベント発生時で利用者のトラフィック分布が大きく変動するため、その偏りや変化に応じて基地局を柔軟に制御する必要があります。特に、花火大会などの天候による中止や開始時刻の変更、特定エリアの入場制限などが生じるイベントでは、あらかじめ時間帯を指定してカバレッジパターンを変更する従来の手法では、適切に対応できない場合がありました。このため、状況に応じてカバレッジパターンを自動で制御・最適化できるソリューションが求められていました。ソフトバンクとエリクソンはこのような課題に対応するため、AIを活用した基地局外部制御によるトラフィック自動最適化に関する検証を重ねてきました※1

[注]
  1. ※1
    2023年9月に、基地局外部制御によるトラフィック自動最適化の実証に成功しています。詳細は2024年2月22日付のソフトバンクのプレスリリース「ソフトバンクとエリクソン・ジャパン、基地局外部からの制御による5Gネットワークの高速自動最適化の実証に成功」をご覧ください。

2025年の大阪・関西万博での実証では、屋外エリアに設置した基地局に本システムを適用した結果、急激なトラフィック変動時において下りスループットが約24%改善(76.9Mbps→95.5Mbps)するなど、通信品質の向上が確認できました。ソフトバンクとエリクソンは、この成果を受けて、時間帯により利用者のトラフィック分布が大きく変動する大規模イベント施設などで本システムの運用を開始しました。

本システムの概要

  • 外部制御装置(サーバー)が基地局から1分間隔で取得する利用者分布データを基に、AIがイベント発生状況を自動判定
  • Massive MIMO基地局の水平面および垂直面のカバレッジパターンを動的に自動で最適化
本システムの概要

大阪・関西万博での実証の概要

(1)場所

大阪・関西万博会場内のMassive MIMO対応基地局設置エリア

(2)内容

複数のカバレッジパターン変更時のパフォーマンス結果を教師データとして、AIモデルを構築しました。外部制御装置が基地局から1分間隔で取得する、Massive MIMOのビーム推定情報※2などの利用者分布関連データを基に、イベントの発生状況を自動で判断し、基地局のカバレッジパターンを最適な構成へ切り替えました。

[注]
  1. ※2
    Massive MIMOのビームやチャネルの品質を端末が基地局へ報告する際に用いられる参照信号で、利用者の空間分布を示す指標。

(3)主な成果

イベント開催時におけるエリア全体の5G(第5世代移動通信システム)利用者の下りスループットが、約24%改善しました※3。この結果、急激なトラフィック変動に伴って発生しやすい輻輳(ふくそう)によるデータ送受信が停滞する現象(「パケ止まり」)の回避に寄与しました。

[注]
  1. ※3
    対象基地局のカバーエリアにおいて、来場者数とイベント時間帯が同等の条件下で、本システムの未適用日と適用日に取得した基地局データを比較した評価結果です。

各社の役割

  • ソフトバンク

    本システムのユースケースの検討および実証評価

  • エリクソン・ジャパン

    本システムの提供

今後、ソフトバンクとエリクソンは、本システムの導入拡大を積極的に推進していきます。

エリクソンについて

エリクソンの高性能なネットワークは、毎日何十億人もの人々にコネクティビティを提供しています。エリクソンは150年にわたり通信テクノロジー開発のパイオニアであり続け、通信事業者や企業にモバイル通信とコネクティビティのソリューションを提案しています。お客様やパートナーとともに、エリクソンは未来のデジタルな世界を実現します。
www.ericsson.com

  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
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ソフトバンクの通信ネットワークに関する取り組み

ソフトバンクは、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向け、通信ネットワークの高度化と信頼性向上を三つの領域で推進しています。地上ネットワークの高度化や災害時に備えた増強、非地上系ネットワーク(NTN)との融合により、平常時から災害時まで安定した通信環境の提供を目指します。

  • 平常時における通信品質向上のため、都市部や全国各地で5G/4G基地局を整備するとともに、AI(人工知能)やビッグデータを活用してネットワーク全体を制御することで、お客さまの体感品質を継続的に向上させています。
  • 大規模イベントや自然災害など通信需要が急増する状況では、移動基地局車や可搬型設備、ドローン基地局、無料Wi-Fiなどを組み合わせ、安定した通信環境を確保しています。
  • ユビキタストランスフォーメーション(UTX)のビジョンの下、衛星通信や成層圏通信プラットフォーム(HAPS)などのNTNと、地上のモバイルネットワークの融合により、災害時の早期復旧や、山間部や離島でのサービスエリア拡大など、陸・海・空のあらゆる環境で利用可能な通信基盤の構築を進めています。