プレスリリース 2026年
法人向け次世代セルラーPCの開発に向けた協業を開始
~URSPとモバイルネットワークの機能を組み合わせて、
ゼロトラストの考え方に基づくセキュリティーの実現を目指す~
2026年3月2日
ソフトバンク株式会社
レノボ・ジャパン合同会社
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)とレノボ・ジャパン合同会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜山太郎、以下「レノボ」)は、AI(人工知能)時代における企業のセキュリティーリスクの高まりを背景に、5G SA※1の機能であるURSP※2と、モバイルネットワークの認証およびセキュリティー機能を組み合わせて、ゼロトラストの考え方に基づくセキュリティーの実現を目指した法人向け次世代セルラーパソコン(PC)の開発に向けた協業を開始します。
1.企業ネットワークを取り巻く環境の変化とゼロトラストの必要性
従来、企業のネットワークにおけるセキュリティー対策は、社内(信頼できる領域)と社外(信頼できない領域)の間に境界線を設ける「境界防御モデル」を中心に構築されてきました。しかし、クラウドサービスの利用拡大や業務システムの分散化、リモートワークの普及やモバイル環境での業務拡大などが進む中、通信経路や端末が多様化し、第三者による社内ネットワークへの侵入などが発生した際に、従来の方法のみでは十分な対策を講じることが難しくなっています。また、今後企業におけるAI活用が進み、処理の自動化と人による操作が混在することで、通信ネットワークや端末の管理が複雑化し、セキュリティーリスクが一層高まることが予想されます。こうした背景から、近年はユーザーや端末などを全て信頼せず、厳格な認証と継続的な検証を行うゼロトラストセキュリティーに注目が集まっています。
2.AI時代に対応した次世代セルラーPCの共同開発
ソフトバンクとレノボは、こうした背景の下、以前からセルラーPCにおいてURSPを活用する可能性を検証する共同研究を進めてきました。このたび、これまでの研究成果を生かして、AI時代の企業のセキュリティー対策を支援する法人向け次世代セルラーPCの共同開発を開始します。
この開発では、URSPによる通信制御とモバイルネットワークの認証およびセキュリティー機能を組み合わせることで、ゼロトラストセキュリティーの仕組みをセルラーPCにネイティブに組み込むことを目指します。端末単位での対策や従来型VPN(Virtual Private Network)の活用にとどまらず、ネットワークと連携したセキュリティー対策を実現します。
これにより、企業のIT管理者は、企業システムへの安全なアクセス制御や用途・業務ごとの通信分離などを一元的に設計・運用することが可能になります。さらに、人の操作やAI処理が混在する将来的なIT環境においても、各企業が定めたポリシーに基づき、安全に制御することが可能となります。
(1)特長
- URSPによる宛先やアプリケーション単位での通信制御
- モバイルネットワークの認証機能との連携
- 端末、ユーザーおよび通信状態に基づくポリシーベースの制御
(2)共同研究の概要および成果
これまで実施した共同研究では、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化されたURSPを、商用のPC(ThinkPad X1 Carbon)に適用する実証に世界で初めて※3成功し、PC経由のさまざまな通信をアプリケーションやポリシーに応じて制御できることを確認しました。さらに、URSPによる通信制御と、モバイルネットワーク側が提供する認証機能を組み合わせることで、端末やユーザーの状態に応じたアクセス制御が可能であることを確認しました。
これらの成果から、URSPによる通信制御と、モバイルネットワークの認証およびセキュリティー機能を連携させることで、ゼロトラストの考え方に基づくセキュリティーの機能要素として発展できる可能性を確認しました。
ソフトバンク 執行役員 兼 先端技術研究所 所長の湧川隆次は、次のように述べています。
「今後のIT環境では、人、デバイスおよびAIが高度に連携し、ゼロトラストを前提としたセキュアな接続基盤が不可欠となります。この取り組みは、5G SAのURSPなどの先進的なネットワーク制御機能を活用し、PCとモバイルネットワークを融合させることで、5Gラップトップを法人向け業務端末としてサービス化することを目指すものです。通信レイヤーでセキュリティーとトラフィック制御を最適化し、5G SAの価値を企業向けIT基盤へと拡張してまいります」
レノボ・ジャパン執行役員 副社長 開発担当の塚本泰通は、次のように述べています。
「LenovoはHybrid AI※4の実用化に向け、企業がAIを安全かつ柔軟に活用できる基盤作りを加速しています。この実証では、URSPを活用した通信制御と認証機能を、長年にわたり企業のお客さまから信頼をいただいているThinkPadに統合することで、5G AI PCから企業ネットワークへVPN不要で安全に接続し、On-Device AIとEnterprise AIがシームレスに連携できることを確認しました。今後もソフトバンクをはじめとするパートナーの皆さまと協力し、企業が安心してAIの力を最大限に発揮できる環境の提供に取り組んでまいります」
- [注]
-
- ※15G SAとは、スタンドアローン(Stand Alone)方式の5G(第5世代移動通信システム)の商用ネットワークのこと。詳細はこちらをご覧ください。
- ※2URSP(User equipment Route Selection Policy)とは、5Gにおけるネットワーク経路の特性を指定するポリシーのこと。
- ※3ソフトバンクおよびレノボ調べ
- ※4Lenovoは、Hybrid AIにより、デバイスからクラウドまで最適な場所でAI処理を行い、機密性の高いデータの安全活用や高速応答、コスト最適化を同時に実現できます。
- ※1
- SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
- その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。