プレスリリース 2026年
ソフトバンクと安川電機、フィジカルAIの開発基盤として
「AIデータセンター GPUクラウド」を活用し、
柔軟物体ハンドリングシステムを実証
~NVIDIAと協力し、ロボットの動作データ収集からAIの学習・評価、実機への適用までを効率化~
2026年7月13日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)と株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役会長兼社長:小笠原浩、以下「安川電機」)は、NVIDIAの協力の下、ソフトバンクが開発を進める「AIデータセンター GPUクラウド※1」をフィジカルAI※2の開発基盤として活用し、安川電機が開発する柔軟物体ハンドリングシステムの実証を行いました。
この開発基盤の活用により、ロボットの動作データの収集からAI(人工知能)の学習・評価、実機への適用までの開発工程を効率化することで、フィジカルAIの導入を迅速かつ容易に行うことができます。また、今回の実証では、AIがリアルタイムに学習してロボットに的確な指示を出すことで、制御に高度な判断が求められる柔軟な物体を安定してハンドリングできることを確認しました。
ソフトバンクは今後、フィジカルAI開発基盤の提供を通して、企業におけるフィジカルAIの導入を加速させるとともに、各企業が現場で得たデータや知見を自社のフィジカルAIモデルの改善に生かし、他の業務やロボットへ展開しやすい環境の実現を目指します。
- [注]
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- ※1「AIデータセンター GPUクラウド」の詳細は、2026年5月25日付のプレスリリース「ネオクラウド事業として、『Infrinia AI Cloud OS』を搭載した『AIデータセンター GPUクラウド』を2026年10月に提供開始」をご覧ください。
- ※2フィジカルAIとは、ロボットのセンサーやカメラ、外部のシステムから得た情報をAIが解析・判断し、その結果に基づいてロボットが柔軟で複雑な動きができるようにする技術のこと。
- ※1
背景
フィジカルAIの社会実装には、ロボットの動作データの収集やAIモデルの学習、シミュレーション評価、実機への適用といった複雑な開発工程を効率化し、ロボットの専門家のみならず多様な技術者が迅速かつ容易に現場へ導入できる開発基盤を整備することが重要です。
そこでソフトバンクは、「AIデータセンター GPUクラウド」上で動作するフィジカルAIの開発支援ツールを開発しました。このツールは、ロボットのシミュレーション環境を構築できるNVIDIA Omniverseライブラリーや、合成データ生成などに活用できるオープンな世界モデルであるNVIDIA CosmosおよびNVIDIA Physical AI Factory Blueprintを活用することで、フィジカルAIの導入に必要な一連の開発工程を一元的に効率化することができます。
一方で、従来のロボット制御は、対象物の形状や配置があらかじめ決まっていることを前提としているため、それらが作業ごとに変化するひもや布、袋などの柔軟な物体を安定してハンドリングすることは難しい領域の一つとなっています。そこで安川電機は、視覚情報やタスクの指示を基にロボットの動作を生成するVLA(Vision-Language-Action)を活用し、柔軟な物体を正確に認識・把持・操作できる柔軟物体ハンドリングシステムを開発しました。
ソフトバンクと安川電機は、これらの開発支援ツールや柔軟物体ハンドリングシステムの実用化を目指し、フィジカルAIの高度な判断が求められるワイヤーハーネスのハンドリングの実証を行いました。
「AIデータセンター GPUクラウド」上で動くフィジカルAIの開発支援ツールについて
ソフトバンクが開発したフィジカルAIの開発支援ツールは、「AIデータセンター GPUクラウド」上でロボットの動作データ収集からデータ拡張(合成データ生成)、AIモデルの学習、シミュレーション評価、実機への適用までの開発工程を一元的に実行できるものです。
<開発工程のイメージ>
(1)ロボットのデータ収集とデータ拡張
まず、ロボットを「AIデータセンター GPUクラウド」に接続し、動作データやセンサー情報を収集・蓄積します。これらのデータを基に、NVIDIA Cosmosを活用して合成データを生成します。このようにデータ拡張を行うことで、実機だけでは十分な収集が難しいデータを補足し、AIモデルの学習に活用できます。
(2)AIモデルの学習とシミュレーション評価
次に、「AIデータセンター GPUクラウド」の計算リソースを利用してAIモデルを学習します。技術者は、このGPUクラウド環境で動作するGUI(Graphical User Interface)上で学習状況を確認しながら、収集・拡張したデータを用いてモデルの改善を進めることができます。学習したモデルは、ロボットの実機へ適用する前に、NVIDIA Omniverseライブラリーと統合されたシミュレーター上で評価します。複数のタスクに対する動作を確認することで、学習後のモデルが基本性能を維持しながら対象タスクに適用できるかを検証することが可能です。
(3)ロボットへの適用
シミュレーションによる検証後、AIモデルをロボットの実機へ適用します。
このツールの活用により、フィジカルAIの開発環境の導入や学習サイクルを、「AIデータセンター GPUクラウド」上で効率的に進めることが可能です。また、フィジカルAIを現場へ導入しやすくすることで、企業内の複数の業務や拠点で得られる実機データやAIモデルの実行データ、合成データを、各社の管理方針に沿って資産として活用し、他の業務へ展開できるようになります。
柔軟物体ハンドリングシステムについて
安川電機が開発した「柔軟物体ハンドリングシステム」は、カメラなどから得られる視覚情報と作業指示を基に、VLAを用いて対象物の状態を認識し、ロボットによる把持・操作を行うシステムです。
ひもや布、袋などの柔軟な物体は、作業ごとに形状や配置が変化し、たわみや絡まり、折れ曲がり、把持位置のばらつきなどが生じやすいため、あらかじめ決められた形状や配置を前提とする従来のルールベースの制御だけでは、安定したハンドリングが困難です。
そこで、柔軟物体ハンドリングシステムでは、従来のロボット制御で安定して対応できる動作と、柔軟物体の状態認識や把持位置の判断などフィジカルAIが有効な動作を切り分け、フィジカルAIを一つの機能モジュールとして既存のロボットシステムに組み込む構成としました。
実証の概要
今回の実証では、柔軟な物体をハンドリングするユースケースとして、形状や配置が作業ごとに変化するワイヤーハーネスを箱に収納するタスクにおいて、ソフトバンクのフィジカルAIの開発支援ツールと安川電機の柔軟物体ハンドリングシステムを適用しました。これにより、フィジカルAIを迅速に導入できた他、ロボットが視覚情報を基にワイヤーハーネスの状態を認識し、AIがリアルタイムに学習してロボットに的確な指示を出すことで、柔軟物体のハンドリングを安定して行えることを確認しました。
今後の展開
ソフトバンクと安川電機は、今後もフィジカルAIを活用したロボットシステムの開発を推進し、より高度なタスクへの適用を検証していきます。また、ソフトバンクは、「AIデータセンター GPUクラウド」を活用したフィジカルAIの検証を拡大し、さまざまなデータを活用したロボット開発の高度化に取り組むとともに、開発基盤の整備を推進していきます。
本件に関する安川電機のプレスリリースは、下記のURLをご覧ください。
https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/news/1645319
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