プレスリリース 2022年
LPガス業界のDXを実現する三つのサービスを提供開始
~AIを活用したLPガスの配送最適化サービス、
検針データ管理サービスおよびウェブ明細サービスを提供~
2022年6月27日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、LPガス業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を目指し、AI(人工知能)がLPガス容器内の残量を予測して最適な配送計画・ルートを自動で策定するサービス「Routify(ルーティファイ)」と、検針データや保安業務に必要なデータを一元管理できる「スマートメーターマネジメントシステム」、LPガスの契約者にウェブ明細やオンライン決済を提供する「Gascope(ガスコープ)」の三つのサービスを、LPガス事業者向けに提供します。
ソフトバンクは、2019年5月から提供している「LPガススマートメーター向け通信ボード※1」(以下「通信ボード」)や、新たに提供する三つのサービスを通して、LPガスの自動検針からデータ管理、配送の効率化、契約者への利用明細の通知までをワンストップで支援することで、LPガス業界のDXを推進します。また、「Routify」によって配送を最適化して車両の稼働時間を減らすことで、CO2の排出量を削減するとともに、安定したエネルギーの供給を支援し、SDGs(持続可能な開発目標)における目標11「住み続けられるまちづくりを」や、目標13「気候変動に具体的な対策を」などの達成を目指します。
なお、「スマートメーターマネジメントシステム」と「Gascope」の提供は、パートナー企業である国内のLPガスメーターメーカー4社(愛知時計電機株式会社、アズビル金門株式会社、東洋ガスメーター株式会社、矢崎エナジーシステム株式会社=社名五十音順)と連携して行います。
1. 「Routify」について(2022年6月30日提供開始予定)
「Routify」は、LPガス事業者が保有するデータ(検針データ、車両の数や種別、配送員数や物件情報のデータなど)と、道路情報や天候などの外部データを活用することで、AIがLPガス容器内の残量を予測し、予測に基づいて最適な配送計画・ルートを自動で策定するサービスです。これまでLPガスの配送員は、勘や経験によって配送計画やルートを策定していましたが、「Routify」を導入することにより、自動で策定された配送先リストや配送ルートを配送員向けアプリ(ハンディーターミナルやスマホに対応)で確認するだけで、最小限の移動で効率的に配送業務を行うことができ、ガス残量のばらつきが少ない状態で容器を回収できます。
なお、ソフトバンクは「Routify」のベースとなる配送最適化システム(特許出願済み※2)を開発し、2020年5月から国立大学法人九州大学と共同研究を行ってきました※3。研究の一環で実施した、実際の配送現場でのフィールドテストでは、ガス納入能力(配送員が1時間当たりに交換したガスの容量)が25%向上するなどの結果が出ています。フィールドテストに協力していただいたアイエスジー株式会社で「Routify」の導入が決定している他、今後、土佐ガス株式会社が導入に向けて試用を開始する予定です。※4

配送員向けアプリの画面イメージ

- 「Routify」のサービスサイト
https://www.softbank.jp/biz/services/analytics/routify/
2. 「スマートメーターマネジメントシステム」について(2022年4月21日提供開始)
「スマートメーターマネジメントシステム」は、LPガススマートメーターから取得した検針情報や設置先情報などのデータを一元管理し、LPガス事業者の検針業務や保安業務に活用できるサービスです。収集した検針データをウェブブラウザーで確認できる他、残量警告などのアラーム情報を、API連携した基幹システムや集中監視システムに通知したり、メーターの弁の開閉などの操作を遠隔で実施したりすることができます。
LPガス事業者は、複数のメーカーのメーターを導入していることが多く、データ管理システムがメーターメーカーごとに異なっているため、運用の煩雑さやコストが課題になっていました。「スマートメーターマネジメントシステム」は、メーターメーカー各社の管理システムの基本的な機能を備えており、メーカーを問わずさまざまなスマートメーターのデータを連携させて一元管理することができます。また、ソフトバンクの通信ボードを内蔵したスマートメーターだけでなく、他社の通信回線を利用しているスマートメーターおよびクラウドセンターとも接続することを想定しているため、マルチメーカー・マルチネットワークで利用することが可能です。

- 「スマートメーターマネジメントシステム」のサービスサイト
https://www.softbank.jp/biz/services/analytics/smms/
3. 「Gascope」について(2022年夏提供開始予定)
「Gascope」は、LPガスの契約者にウェブ明細やオンライン決済などを提供できるサービスです。LPガス事業者向けに、下記の三つの機能をパッケージで提供します。「Gascope」の提供に当たっては、LINE株式会社が提供する各種法人向けサービスの販売を行う広告代理店を認定・表彰するパートナープログラム「LINE Biz Partner Program」の「Local Sales Partner」において、最上位の「Diamond」に認定されている株式会社クラブネッツと協業し、サービスの導入や立ち上げ、運用、顧客提案などを行います。
- (1)ウェブ明細
LPガスの契約者が、利用明細をパソコンやスマホからオンラインで確認できる機能です。 - (2)LINE公式アカウントとの連携
LPガスの契約者に、「LINE」を通して利用明細の確定通知や広告を配信する機能※5です。 - (3)オンライン決済
クレジットカードによるオンライン決済や、払込票によるコンビニエンスストアでの決済で、LPガスの利用料金の支払いができる機能※5です。
なお、今後は「LINE」を活用したサービスを拡充し、ガス設備の点検の訪問予約や、サービスの加入・退会、問い合わせ機能などを追加する予定です。

- 「Gascope」のサービスサイト
https://www.softbank.jp/biz/services/analytics/gascope/
「Routify」導入予定企業のコメント
アイエスジー株式会社 代表取締役会長兼社長執行役員 石井 誠一氏
「自動検針端末を付けている顧客はもちろん、取り付けられていない顧客もガス残量予測が行われ、AIが複合的に配送計画を導き出すところが、自動検針端末の段階的な設置に向いているサービスだと思います。また、配送ルートの自動策定は、さまざまなデータを収集する拡張性があり、AIによってさらなる効率的な配送業務が実現できることに期待しています」
土佐ガス株式会社 代表取締役社長 大西 均氏
「このたび、ソフトバンクによるLPガス配送最適化サービス『Routify』の提供を心より歓迎します。超高齢化社会の日本において、“人手不足”は社会課題となっており、弊社においても特に配送業務を行う人員確保および効率の良い配送業務の必要性を強く感じていました。ソフトバンクの『Routify』が提供するAIを活用した“残ガス量の予測”や“配送計画の自動策定”、さらに今後ビッグデータを活用したサービス拡充を通したデジタルトランスフォーメーションを期待しています」
- [注]
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- ※1LPガススマートメーターに内蔵または外付けすることで、検針データなどのさまざまな情報を毎日自動で収集できる通信ボードです。詳細はこちらをご覧ください。
- ※2ソフトバンクが特許出願済みです。
- ※32021年9月13日付のプレスリリース「ソフトバンクと九州大学が、LPガス容器の配送最適化の共同研究を実施」をご覧ください。
- ※4「Routify」は、株式会社ブレインパッドなどのパートナー企業にサービス開発の一部を支援していただいています。
- ※5一部の機能は、株式会社クラブネッツが提供します。
- ※1
- SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
- その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。