プレスリリース 2025年
世界初、SRv6 MUPを活用した5G商用ネットワークの
サービス提供に成功
2025年12月18日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、5G(第5世代移動通信システム)※1の特長を生かしたMEC(Multi-access Edge Computing)やネットワークスライシングなどを、低コストで、かつ容易に実現する技術「Segment Routing IPv6 Mobile User Plane」(以下「SRv6 MUP」)を活用した5G商用ネットワークにおいて、固定無線アクセスの一部でのサービス提供に成功しました。
ソフトバンクが開発をリードするSRv6 MUPは、5Gの特長を生かしたMECやネットワークスライシングなどを、従来のモバイルネットワークと比べて低コストで、かつ容易に実現する技術です。2023年2月にフィールドトライアルを開始し、さまざまな検証を行い、5G商用ネットワークでの提供に向けて開発を進めてきました。そして、このたび世界で初めて※2SRv6 MUPを活用した5G商用ネットワークのサービス提供に成功しました。今後、今回のサービス提供で得られた知見を生かし、順次提供範囲を拡大していく予定です。
ソフトバンクは、SRv6 MUPがもたらす低遅延なサービスをより多くのお客さまに提供することを目指して、引き続き開発・検証を進めます。また、さまざまなテクノロジー企業や各国の通信事業者と連携してSRv6 MUPを活用することで、MECやネットワークスライシングの効率的な実現を目指していきます。
- [注]
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- ※1高速大容量5G(新周波数)は、限定されたエリアで提供しています。詳しくはサービスエリアマップをご覧ください。
- ※2ソフトバンク調べ(2025年12月18日現在)
- ※1
SRv6 MUPは、Broadcom Jericho2 familyルーティングチップセットにより実現されており、このシステムはArrcus Inc.(以下「Arrcus」)が提供するネットワークオペレーティングシステムの「ArcOS」と、Broadcom Inc.(以下「Broadcom」)が提供するクラウドプラットフォームの「VMware Telco Cloud Platform」を活用しています。パートナーのArrcusとBroadcomのコメントは、次の通りです。
「ソフトバンクのSRv6 MUPは、5Gインフラ上で低遅延かつ高忠実度のアプリケーションを提供する能力において、画期的なものです。Arrcusがソフトバンクとのパートナーシップにおいて重要な役割を果たすことをうれしく思います」と、Arrcus Inc.のCEO兼会長であるShekar Ayyar氏は述べています。
「ソフトバンクとArrcusが、この固定無線アクセスバックホール技術における画期的な転換を革新し、展開していることをうれしく思います。SRv6 Mobile User Planeの実装により、急速に拡大しているこの分野において、大幅なコスト削減と複雑なネットワークの簡素化を実現しています」と、Broadcomのコア スイッチング グループ、マーケティング担当シニア ディレクターであるOozie Parizer氏は述べています。
- SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
- その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
- ソフトバンクの通信ネットワークに関する取り組み
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ー日常から未来へ、“つながる安心”を全国にー
ソフトバンクは、誰もがいつでもどこでも快適につながる社会の実現に向けて、下記の三つの視点から通信ネットワークの高度化と信頼性向上に取り組んでいます。
- 日常がつながる:暮らしの足元を支えるネットワーク
- 都市部をはじめ全国各地における5G/4G基地局の整備やAI(人工知能)による電波干渉の最適制御、ビッグデータを活用した通信トラフィック分析を通して、日常の通信品質の向上を継続的に進めています。通信速度の速さだけでなく、快適さを体感できる通信品質を大切にした“つながる安心”をお客さまに提供し、その価値を体感していただくことを何よりも重視して、日々の暮らしを支える安定した通信ネットワークの構築に取り組んでいます。
- 非日常もつながる:イベントや災害でも“つながる安心”を
- 大規模イベント開催時や災害発生時など、通信需要が一時的に急増する場面でも、移動基地局車・ドローン基地局・可搬型設備の配備や無料Wi-Fiの提供など、全国で臨時の通信対策を実施しています。
電波が届きにくい環境においても、お客さまが安心してサービスを利用できるよう、安定した通信環境の確保に取り組んでいきます。
- 未来のネットワークへ:空・海・山、あらゆる場所で“つながる”
- 人工衛星や成層圏通信プラットフォーム(HAPS:High Altitude Platform Station)を活用した非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)により、災害時の通信の迅速な復旧や、山間部や離島などのこれまで電波が届きにくかったエリアへのカバレッジ拡大に取り組んでいます。ソフトバンクが掲げる「ユビキタストランスフォーメーション(UTX:Ubiquitous Transformation)」というビジョンの下、地上のモバイルネットワークとNTNを融合させることで、あらゆる場所・場面でつながり続ける通信インフラの構築を目指します。
また、AIと人間が共存する社会の実現に向けて、分散型AIデータセンターを中心とした次世代社会インフラの構築を進めていきます。
- 日常がつながる:暮らしの足元を支えるネットワーク