生物多様性の保全

生物多様性の保全 生物多様性の保全

あらゆる事業活動は、生物多様性や自然資本から提供される生態系サービスの恩恵を受けると同時に、環境に何らかの影響を与えています。当社は、生物多様性保全の重要性を認識し、国際社会が目指す「ネイチャーポジティブの実現」を支持するとともに、当社の事業活動が生態系に及ぼす影響を低減させることをマテリアリティ(重要課題)の一つと捉え、生物多様性の保全に関わるオフセット活動を含むノーネットロスに向けた取り組みを推進します。

生態系が機能する持続可能な地球を次世代につなぐため、当社事業はもちろん、一次サプライヤーや二次以降の全てのサプライヤーおよびビジネスパートナーに対して生物多様性への取り組みに協力をいただきます。また、外部パートナーと協働し、事業活動や社会貢献活動を通じて、生物多様性保全の取り組みを推進します。

TNFD提言への対応

TNFD

TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)は、自然資本および生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的な組織です。
当社は、TNFDが2023年9月に公開した開示提言を採用する企業として、2023年12月にTNFD Adopterに早期登録しました。TNFDの開示提言で示された情報開示フレームワークに基づき、積極的な情報開示に取り組んでいきます。

主な取り組み

サンゴの保全活動を通じて
海洋環境を守る

サンゴの保全活動を通じて海洋環境を守る

温暖化対策や生態系維持など環境保全の取り組みとして、サンゴの植え付けや環境保全を積極的に行う沖縄県恩納村および多数の企業や団体と合同で、2019年7月に「未来とサンゴプロジェクト」を立ち上げました。

本プロジェクトではサンゴを守り、未来の地球の生態系を維持していくために、募金を集め、集まった募金でサンゴの苗を購入し、その植え付けを行うボランティアツアーや近隣のビーチクリーン活動の実施、サンゴが成長する様子や協力企業、団体活動の情報発信などの取り組みを行っています。

サンゴの保全ならびに研究に取り組むサンシャイン水族館に、プロジェクト立ち上げより学術的なサポートをいただき、今後も連携を深めていきます。

森林破壊ゼロ実現に向けた当社の姿勢

当社は、事業活動において、生物多様性や自然資本から提供される生態系サービスの恩恵を受けており、持続可能な企業経営の観点からも、生物多様性保全と森林破壊防止の重要性を認識しています。
一方で、社会インフラとして通信サービスを広域かつ安定的に提供するために、基地局などの通信設備を設置する際、やむを得ず土地改変を行う場合があります。当社は、生物多様性の重要地域における土地開発を回避することを基本とし、やむを得ず実施する際には、生態系に及ぼす影響に十分に配慮した対応を行います。重要な生態系に著しい影響が想定される場合は、その最小化および回復に努めます。
また、生物多様性豊かで持続可能な地球を次世代につなぐため、植樹活動などを通じて、2030年までの森林破壊防止を目指しています。この取り組みは、自社事業のみならずバリューチェーン全体において、サプライヤーやビジネスパートナーにも理解と協力を得ながら推進していきます。

当社は、取締役会の諮問機関としてESG推進委員会を設置し、生物多様性や自然資本の保全に関わる取り組みをマテリアリティのKPIとして設定しています。代表取締役社長がESG最高推進責任者を務め、取締役会の監督の下、サステナビリティ活動全体の最終責任を担っています。また、取り組みの社内推進と業務遂行する機関として環境委員会を設置し、ESG推進担当役員の下、森林破壊ゼロ実現を含む具体的な施策を推進しています。

お客さまと取り組む
環境保全植樹活動

チャリティスマイル

当社は、日本各地の環境保全活動を支援する取り組みとして、「チャリティスマイル」を提供しています。お客さまから毎月10円を寄付いただき、当社が同額の10円を拠出することで、1カ月当たり合計20円を寄付しています。
この取り組みは、消費者参加型の植林貢献プログラム「NatureBank」の一環として提供しており、毎月10円という手軽な金額と、月々の携帯電話利用料金の支払いと一緒に寄付できる利便性により、無理なく継続的に支援いただける仕組みです。
また、本取り組みで集められた寄付金の一部は、国内外にかかわらず、大規模災害発生時の被災地支援にも充てられます。

社内業務ペーパーゼロ宣言

ペーパーレスの促進として、2012年4月より「社内業務ペーパーゼロ宣言」を掲げ、社内外の手続きで使用する申請書や報告書、会議資料など、紙の積極的な削減に取り組んでおり、2011年度と比較して9割減という大幅な削減に成功しています。また、2021年4月より、業務効率化を目的に「押印電子化プロジェクト」を開始し、森林破壊への影響低減に努めています。

社員による植樹活動

社員による植樹活動

倉本 聰氏主宰「NPO法人 CCC富良野自然塾」の協力の下、社員とその子どもたちを対象に「親と子の健全な関係作り」「環境・自然を考える」をテーマにした「夏休み親子自然塾」を開催しています。

2007年の開始以来、250名以上の親子が参加し、2つの当社オリジナルのプログラムを含めた計7つの環境にまつわるプログラムを実施。ゴルフ場の芝を剥がし、その土壌に苗木を植えることで元の森に返すなどの未来へつなげる活動を行っています。これらの体験を通じて、親子の絆を深めるとともに、地球の今の状況やこれからの環境保全に向けて自分たちでできることなどを考えるきっかけを提供しています。

社員によるごみ拾い活動

社員によるごみ拾い活動

本社ビルがある竹芝地区の美化推進を目的に、一般社団法人 竹芝エリアマネジメント主催の定期清掃活動に毎月参加しています。竹芝地区には、多様な生き物が生息する「竹芝干潟」もあり、ごみ拾い活動では漂着している海洋プラスチックやその他のごみを除去するなど、環境保全の活動に貢献しています。

認証紙の活用

認証紙の活用

当社の社員が営業活動などに使うロゴ入り紙袋は全てリサイクル可能な素材を活用しています。袋表面のプラスチック加工をなくしたことはもちろん、持ち手部分にもプラスチックは使っていません。さらに、袋とのつなぎ部分も接着剤や留め具を使わず、結んで留めています。

責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体であるFSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)に認められた紙を使用しており、リサイクル可能です。ロゴの印字には、石油系の溶剤に比べて生分解性があり、揮発性有機化合物の排出もほとんどなく環境負荷低減に寄与できるベジタブルインクを使用しています。

ケータイリサイクルによる
森林伐採など環境破壊の防止

当社の主力事業である携帯電話の本体やバッテリー、充電器などには、産出量が少ないレアメタル(パラジウム、コバルトなど)や金、銀、銅など、たくさんの貴重な資源が含まれています。レアメタルは重要原料であるとともに代替しにくく、新規採掘には鉱山開発などによって産出地の生物多様性に影響を及ぼすことになります。レアメタルは鉱山から採掘するよりリサイクルで再生産した方が効率的に集めることができるため、当社は使用済み携帯電話の回収およびリサイクルを促進しています。リサイクルを進めることで、新規採掘による森林伐採など環境破壊の防止に貢献します。

葛の利活用を通した
環境保護と伝統工芸保全

葛の利活用を通した環境保護と伝統工芸保全

葛は生命力が強くどこにでも繁茂し、景観や生態系を損ねるだけでなく、災害の原因にもなります。一方、葛粉・葛布・葛根湯などの原料として利用され、成長過程でCO2を吸収する環境価値も有しています。

当社は、こうした葛の二面性を生かし、静岡県掛川市の伝統工芸「葛布」の継承と持続可能な地球環境保全を目的に設立された「葛利活用コンソーシアム」に参画しています。
コンソーシアムでは、葛をペレットに加工して紙製品の原料とする他、あらゆる観点から利活用して製品を作り、それを使用するとともに、売り上げの一部を後継者育成支援金に充て、葛布産業の人材育成にも貢献しています。

葛の利活用を通じた循環型の取り組みにより、自然と伝統の持続的継承を支援しています。

イニシアチブへの参加

TNFDフォーラムに加盟

TNFD

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の理念に賛同し、2022年5月にTNFDフォーラムに加盟しました。情報開示フレームワークに基づき積極的な情報開示を進めていきます。

環境省生物多様性のための
30by30アライアンスへ参加

30by30

2030年までに陸と海の30%の保全を目指す30by30達成に向けた企業、自治体、NPO等が参加する生物多様性のための30by30アライアンスに参加しました。

企業と生物多様性イニシアチブ
(JBIB)への加入

JBIB

当社は、生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業の集まりである「企業と生物多様性イニシアチブ」(JBIB:Japan Business Initiative for Biodiversity)に、ネットワーク会員として参加しています。
今後も生物多様性の保全活動に取り組むとともに、世の中の動向と整合した活動を推進します。

経団連生物多様性宣言
イニシアチブへの賛同

経団連自然保護協議会 Keidanren Initiative for Biodiversity

当社は、経団連自然保護協議会へ参加するとともに経団連が策定する「経団連生物多様性宣言」の趣旨に賛同し、経団連生物多様性宣言イニシアチブへ賛同しました。